盤上の詐欺師

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盤上の詐欺師さんの日記

(Web全体に公開)

2014年
07月31日
15:09

置碁で下手を操る10個のコツ 前半

タグ : 置き碁 下手ごなし 上手 コツ 悪手
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相手に沢山置かせるのが苦手・勝てないという人いませんか
多子局では互先と同じように打っていてはなかなか勝てないものです
多子局白番は楽しくない・打ちたくないという方もいらっしゃいます
しかし下手を意のままに操り勝つことができるようになれば
置碁も楽しいと思えるようになります


私もそれほど上手とはいえないかもしれませんが
置碁が苦手な人向けということで下手ごなしのコツを
(下手を悪手に誘導する方法)
私の置碁の実戦を例にして解説していきたいと思います

少し長いのでこの日記をもうひとつ別ウィンドウで開いて
碁盤は別ウィンドウで見たほうが良いかも知れません
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下手ごなしのコツ

1下手の予想(注文)を外す
2序盤中盤は形勢は気にせず局面を難解にする
(最善の図ではなく変化が多い図を選ぶ)
3下手が見落としている場所にはすぐには打たない
4味悪でも知らぬ振りをする(微妙な所には手を入れない)
5コウを利用して譲歩させる
6コウダテやコウダテへの受け方で損をさせる
7利きを多く残した状態で放置する(形を決めない)
8下手に味悪を解消させる
9攻め合いは難解に
(手数が沢山空いてたり詰め方が何通りもあると間違えやすい)
10下手の視野の狭さを利用する
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これだけでは分かりづらいと思うので
私の実戦例を例にして説明していこうと思います

私の白番五子局です
黒番は高校生のS君
県の高校生の中では実力2番手くらいで
プロの指導碁も3子で受けていて正攻法ではキツイ手合いです

3と二間高ガカリしました
下手が見慣れない形にもっていくのも
「コツ1」 に当てはまります
普段打ちなれていない形の方が間違う確率が上がるのです

黒は積極的に4と割ってきたので白5と両ガカリし
8のケイマまで普通の進行でしょう
白は6と8の薄みを狙って白9と辺の石に圧力をかけました

コツ1 「下手の予想(注文)を外す」

黒10と覗いてきたとき安易にツイではいけません
コツ1 「下手の予想(注文)を外す」です
下手は当然ツグものと予想しています
そこで「ツグ以外の手がないか」と反発を考えるのがコツです
下手の予想を外すことで下手は混乱しますし
予想外の手で局面自体も難解にすることができます
(コツ2にも当てはまります)
もちろんツガないとすぐに潰れてしまう場合は仕方ありませんが
下手の注文に乗るのは最後の手段だと考えるべきでしょう
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白はツガずに11とツケて返し技を放ちました
対して黒は12と出て全部頑張る体勢です
白19のオサエは当然 ここを突き抜かれては局面が安定し
白の勝ちは遠のきます
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コツ2 「序盤中盤は形勢は気にせず局面を難解にする」

次のはコツ2「序盤中盤は形勢は気にせず局面を難解にする」です
例えば45目も劣勢な時に1目得して
44目劣勢になったとしても焼け石に水です
1目の得しても形が決まってマギレる場所がなくなっては困ります
目先の数目の得よりも
局面を難解にして相手が大損する可能性を残すほうが良いのです
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実戦白21とサガれば黒も楽観できません
依然として6の一路上のキリは残っていますし
外側の白をスッキリ取るのもそう簡単ではないでしょう
黒28は二子取りを嫌った手で 黒は全部頑張るつもりのようです
黒32までは一本道
白33と覗いたとき黒は三子助けずに下辺に打っても良かったでしょう
黒は34・36と打って三子を助けましたが
こううつくらいなら単に36と打つ方が左辺の白が固まらず良かったでしょう
黒38と下辺に手を入れましたが1の石はまだ取りきれていません
白39と出たとき黒40と左下を生きに行ったのが緩着です
ここではBと中央に打つのが天王山でした
しかし黒としては形勢に自信があったからなのか
石を取られるのを嫌いました
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コツ3「下手が見落としている場所にはすぐには打たない」

このときすぐBとは打ちません
コツ3「下手が見落としている場所にはすぐには打たない」です
黒は左下を生きにきているのですから眼を脅かせば受けるでしょう
Bは見落としているので今更左下を捨ててBに回るとは考えにくいのです
41・43を利かしてからBに回ればさらに得をすることができます

また死活の見落としがあった時にすぐには咎めずに
他で得をしてから殺しに行く というのもコツ3にあたります 
一旦見落としたところにすぐに気がつくとは考えにくいというわけです
当然他に打つところがない場合にはすぐに咎めにいきます


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白45と黒46を交換することで中央の白にゆとりができました
ここで白は下辺に手を回します
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コツ4「味悪でも知らぬ振りをする」

コツ4「味悪でも知らぬ振りをする」です
左辺はF6の出があって味悪ですが二子は取った振りをするのです
味悪だからと手を入れるのは優勢のときの打ち方です
簡単に手になるならともかく
上手からみて多少味悪でも下手は気づかないものです
上手が手を入れなかったのだから手は無いだろう と考えます
ましてや多子局の序盤中盤は下手が優勢ですので
大抵先の見えない戦いは敬遠してきます
ただし形勢が逆転して下手が劣勢になるとイチかバチかで仕掛けてくることがあるので優勢なときには手を入れましょう
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コツ5「コウを利用して譲歩させる」

下辺は47・49・51とコウに弾きました
コツ5「コウを利用して譲歩させる」です
下手はコウを怖がり多少なら譲歩をしてくれます
この場合黒R2とツガせて白Q5に黒R4とツガせることを考えます

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ちなみに置碁でのコウにはもう一つコツがあります
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コツ6「コウダテやコウダテへの受け方で損をさせる」

実戦は一旦コウを取ってきたので
ここで白52をコウダテに使いました
コツ6「コウダテやコウダテへの受け方で損をさせる」 です
下手はただでさえコウのことで頭が一杯なので
相手のコウダテに最善の受け方を考えたり
自分がコウダテするときに損をしないようにしたり
ということが疎かになりがちです

例えば実戦のように
単にヨセとして打てば正しく受けられそうなところでも
コウダテとして打つことで判断力が鈍り損をすることがあります
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白52に対してAにオサエるとBのハネも利いて
地も損な上にN4も利き 眼も薄くなります
ですので黒としてはBやCに受けるのが普通ですが
実戦はAとオサエてしまいました

白は55から57とアテた上でコウを取り返し
コウダテしながらかなりの得をすることができました
さらに黒60とツガせて61とアテては白絶好調
まさに黒は踏んだり蹴ったりです

五子局としてはもう勝負になっているでしょう
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ここまで前半です 長くなってしまいましたが^^;
後半は実戦62手目以降を例に
残り4つのコツを解説していきたいと思います
ぃーね!

コメント

2014年
07月31日
21:26

何でそんなに置碁が強くなったの??

2014年
07月31日
22:01

長崎美人さんお久しぶりです
東京ではお世話になりました
置き碁ばっかり打ってたから強くなったんですかね^^;
指導碁というよりは毎局勝負碁のつもりで
勝つ方法を模索していたのが大きいかと
あとは石田本因坊の置碁白番の本を読んだりもしましたね

2014年
08月01日
20:18

Y村さんなんかもそうですが、力碁はした手にはめっぽう強い反面、うわ手には逆にめっぽう弱いという特徴があります。
詐欺師さんも置かせ碁は化け物みたいに強いのに、逆にY先生相手に2子置く事になると、不思議と負けてしまう事もあるみたいですし。(今はどうか知りませんが)
した手ごなしに関しては、細かな技術の問題よりも、棋風の問題の方が大きいような気もします。

僕みたいな、できる限り戦わない地合い重視の碁だと、長崎美人さんみたいなうわ手を食う事がありますが、逆にした手に置き碁どころか互先ですら食われる事もよくあります。
一度平岡が洪ソッ義に勝ったのなんかも、まさにその典型例と思いますし。

どんな棋風も一長一短あるから面白いものです。

2014年
08月02日
00:08

鳥ーダーさんお久しぶりです
力碁というか形を決めるのを嫌うかどうか
が大きいような気がします
優勢時には
多少損でも形を決めてしまったほうが勝ちやすいでしょうし
劣勢時に
多少得でも形を決めてしまっては負けやすくなるでしょう

ただ技術の面もおろそかにはできないのではないかと思います
特にS岱君に5子で勝つには
力碁で普通に打つだけでは私の棋力では厳しそうです

ちなみにT原先生が
S岱君が私に5子で負けたらS岱君は破門だ
とかいっていたのでT原先生には内密にお願いします
まあT原先生は冗談だと言っていましたが^^;

2014年
08月02日
00:37

この相手はS岱でしたか。

どちらかといえば力の無いS岱が黒4とやっていってるあたり、相手の土俵にわざわざ上がりに行ってるようで、個人的には感心しないですね。
これでは労せずして局面が難しくなってくれるので、詐欺師さんとしては割と楽でしょう。
まあ、あえて相手の土俵上で相手をねじ伏せて上へ行きたいという気概でもあっての事なら立派ではありますが…。

T先生は久しく会ってませんが、相変わらず元気でしょうか…?
また10日の研究会ででもお会いしましょう。

2014年
08月02日
10:50

T先生は最近ソレイユには来られないのですが
この前子供の指導会でいらっしゃったときは相変わらず元気でしたよ

棋譜作成
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