産経新聞の情報ですが、かなり詳しく書いています。
最新の支払総額の数字は、日本損害保険が5/6付けをすでに発表しています。478,104,696円です。
http://www.sonpo.or.jp/news/release/2011/1105_01.html
2011.5.7 18:00 (1/3ページ)
「東日本大震災では多額の地震保険が支払われる見通しですが、民間の地震保険の支払い基準はどうなっているのですか。一部地域では液状化現象も起きましたが保険は出るのでしょうか。また、今回の震災で再保険についての記事が散見されますが分かりやすく解説してください」=千葉県船橋市の男性(65)
火災保険とセットで契約
地震・噴火・津波を原因とする火災、損壊、埋没、流失による損害を補償する地震保険は、昭和39年の新潟地震を受けて制定された「地震保険に関する法律」に基づき、政府と民間の損害保険会社が共同で運営している。
補償対象は居住用建物と生活用動産(家財)で、工場や事務所専用の建物など住居として使用されていない建物は対象外だ。また、30万円を超える貴金属、骨董(こっとう)品などの贅沢(ぜいたく)品の被害も補償されない。
重要なのは、地震保険は単独では加入できず、火災保険とセットの契約ということだ。火災保険の保険期間の途中からでも契約できる。東日本大震災後は地震保険への関心も高まり、「加入方法や補償内容に関する問い合わせが増えている」(損保大手)という。
地震は広範囲で被害が生じるため、保険金の支払額も膨大になる可能性が高い。そのため、契約額も火災保険の30~50%の範囲内に抑制されている。
上限は建物が5000万円、家財は1000万円。支払い基準は全損、半損、一部損に区別され、全損の場合は契約金額の100%、半損は50%、一部損は5%が支払われる。ただし、地震発生日の翌日から10日を経過した後の被害については、地震との因果関係が明確でなくなるため対象とならない。
質問にある液状化での建物被害も地震保険の対象となる。ただ、土台、柱、屋根などが損なわれていない場合は対象外となる。また、木造家屋が3度以上傾くと全損扱いとなる。
地震保険の世帯加入率(共済は含まず)は地震を経るごとに上昇している。平成6年度末に9・0%だった加入率は阪神大震災後の8年度末には13・1%にアップ。新潟県中越地震後の17年度末には前年度比1・6ポイント増の20・1%に伸びている。
県別では愛知県が34・5%でトップ。今回の震災で甚大な被害があった宮城県は32・5%と全国平均(23・0%)を上回ったが、岩手は12・3%、福島は14・1%に留まっている。
東北6県の支払いは3割
日本損害保険協会によると、東日本大震災で個人への地震保険の支払い状況は4月27日現在で19万1663件、計約3325億円。震災発生から1カ月半で阪神大震災(783億円)の約4・2倍に達した。東北6県の支払い状況は6万4653件、計約1643億円。最も保険金が多かったのは宮城県の1108億円だった。ただ、被害状況を確認する鑑定士の不足などで未調査案件は少なくない。東北6県の受付件数(21万2149件)の支払い割合は30%にとどまり、調査の進展で支払額がさらに膨らむのは必至だ。
地震保険では、損保会社が各社で出資した「日本地震再保険株式会社」(地再社)に対し、顧客と契約した全額を再保険に出し、地再社は政府と超過損害額再保険契約を締結することでリスクを分散。損害保険料率算出機構(東京)によると、1回の地震での支払限度額は総額5兆5000億円に設定されているが、これは関東大震災レベルでも対応できる金額という。
民間側(地再社+損保各社)と国の支払い割合については、1150億円以下は地再社が100%、1150億円~1兆9250億円は民間側と政府が50%ずつ、1兆9250億円~5兆5000億円は政府が95%、民間側が5%-と設定されており、巨額になるほど政府負担が増える。
つまり、損保会社は地再社の再保険などから保険金を支払い、民間側の支払い能力を超えた部分については、政府が負担するという仕組みが、地震保険の最大の特徴だ。
4月27日現在の支払額約3325億円のケースでは、1150億円までは地再社が全額負担し、それ以上の分を政府と民間側が50%ずつ負担している。
地再社と損保各社で計約1兆円の準備金があり、政府の地震再保険特別会計にも政府責任準備金が約1・2兆円ある。1兆円規模とされる今回の支払い分はカバーできそうだ。野田佳彦財務相は3月28日の参院予算委員会で、資金が不足すれば一般会計からの繰り入れで対応できるとし、「保険契約者には安心していただける仕組みだ」と強調している。(花房壮)