「天地明察」のロードショーが近づいてきました。
主人公安井算哲が本因坊道策と打った初手天元の碁が映画では改変されたとgoxiの管理人さんの日記に書かれていました。
では、小説で安井家の秘蔵譜とされる初手右辺星下の碁は映画で出てくるかな?
一世安井算哲(黒) vs 中村道碩(白)
(;GM[1]FF[1]SZ[19]NE[B]SS[@@]AP[StoneLeaf2]BR[7p]WR[9p]PB[YasuiSantetsu]PW[NakamuraDoseki]RE[W+0]PC[FushimiCastle,Kyoto]EV[Gozengo(pseudo-CastleGame)]KM[0];B[qj];W[dc];B[ce];W[cg];B[jc];W[gc];B[pc];W[qe];B[qg];W[kd];B[kc];W[md];B[ld];W[od];B[oc];W[mc];B[ke];W[rc];B[qc];W[rd];B[nd];W[nc];B[pe];W[pd];B[qd];W[oe];B[pf];W[qb];B[ne];W[of];B[nf];W[og];B[re];W[ob];B[qf];W[pb];B[qe];W[ph];B[qi];W[le];B[mg];W[kf];B[je];W[jf];B[ie];W[ng];B[mf];W[mh];B[lh];W[mi];B[lf];W[me];B[lg];W[li];B[kh];W[if];B[ji];W[he];B[hf];W[ih];B[hg];W[jh];B[ki];W[ge];B[hc];W[gb];B[hd];W[ff];B[hi];W[hh];B[gh];W[gg];B[ii];W[gf];B[mk];W[ok];B[oj];W[lk];B[po];W[nj];B[oi];W[nk];B[ml];W[nm];B[pm];W[om];B[no];W[mm];B[km];W[mo];B[mp];W[lo];B[np];W[lp];B[jp];W[lq];B[kr];W[nr];B[lr];W[mq];B[pr];W[jo];B[io];W[jn];B[ip];W[kk];B[jk];W[in];B[lm];W[ln];B[lj];W[gn]ID[1])
追記:
小説では、安井算哲は一世安井算哲の子、安井算知は一世安井算哲の養子(算哲の兄)、安井知哲は安井算知の子となっている。
「碁神道策」によれば、安井算哲は一世安井算哲の長子で、安井知哲は一世安井算哲の次子とのこと。
コメント
08月18日
08:06
1: mikoinrp
初手が辺の星下というのは初めて知りました。プロが打ったのですからそれなりの考えに基づいているのでしょうが、要はどこに打ってもその後の運用次第と言うことなのかもしれませんね。
それにしても右上から始まった強情な競り合いは形などといって変な手を避ける傾向が強い現代の日本のプロとは全く異なるうち方に見えます。日本の囲碁は「形」を意識するようになってから弱くなってしまったのではないだろうかと私は考えています(たかがアマチュア級位者にすぎないのですが)。
08月18日
10:27
2: 利根川の杭
私は現代日本の碁が弱くなったと思っていません。中国、韓国の碁が急速に強くなって日本が遅れをとっているということでしょう。
この碁は、白10のカタツキから白16の作戦が見事ですね。白54までの形は黒はまり形のように見えます。
08月18日
11:00
3: mikoinrp
生意気なことを言わせてもらう失礼をお許しください。
私は強さと言うものは常に同時代的な相対評価ではないかと思っています。
昔の道策と井山さんを比べてどちらが強いかを論じるのはナンセンスです。現実に対局して勝った方が強いと言うほかないのですから。
他方で韓国や中国のプロとの実戦例は沢山あります。同時代の韓国・中国棋士に遅れを取っているなら、それは弱いということです。そしてそれは昔(と言っても何百年前のことでなく私が碁を覚え始めたころと言う意味ですが)にはなかったことです。当時は日本のプロは中国に行けば勝って当たり前の時代でした。
それを指して日本の碁が「弱くなった」というのは、事実そのままではないかと思います。
08月19日
07:30
4: -
杭さんは絶対評価、ミコさんは相対評価で言っているんですね。
例えば(例えばですよ)日本人の平均身長は変わらないが、韓国人の平均身長が伸びた(絶対的評価による事実)と書くか、日本人の平均身長が縮んだと考えるか。(相対評価)
囲碁の場合は、絶対的に比べる尺度(メートル原器のようなもの)がない現在です。
同時代での勝率や、大切な勝負の結果で、つまり相対評価で、というのも一理あります。
将来、囲碁ソフトがさらに強くなれば、ソフトによる過去の棋譜の評価で、どの時代の誰がどの程度の棋力か、というのを数字で表せるかもしれません。
いや、現代でも、スパコンを使えば、可能かもしれません。
08月19日
07:49
5: -
追記について:
小説のP40-P43(ハードカバー版)のことですね。
似たような名前があってわかりにくいのですが、算知が20歳も年上の義兄であった、と書いてあるので、双方の書に矛盾はないと思います。要するに、算知を養子にして家督を継がせることに決めたあと、算哲(春海)と弟の知哲が生まれた、算知とこの二人とは血縁がない、ということです。