docMM

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docMMさんの日記

(Web全体に公開)

2013年
10月07日
14:19

三連星、二間バサミ(1) docMM囲碁日記

タグ : 囲碁日記,布石
mikoさんの日記に面白い実戦棋譜が載せられていたので、題材に取り上げてみました。
星のカカリに二間バサミはあまり見かけない手です(普通は一間や二間高です)。おそらくは、

1.一間のハサミでは白に中央への一間トビを許し、折角の三連星が平坦になる
2.二間バサミでは両ガカリにされる

のを嫌っての二間バサミのように思われます(二間にハサまれると、白は一間トビも両ガカリも選択しにくい)。で、白はこの局面、三々にはいるのがいいようです。

黒9では、黒5のある方からオサエるのが普通ですが、実戦では、逆にオサエております。初級者がよくやる間違いですが、黒の狙いは黒11で白二目の頭をハネ、黒13でカタツギすることにあったようです(mikoさんの実戦は、この黒の思惑を外すように白12で13と切っていった。相手の打ちたいところに打つ、反骨精神満々のmikoさんらしい手です。この手を打つまでの経緯はmikoさんの日記に詳しいのでそちらを御覧ください)。

http://goxi.jp/diary/179018


ところで、この黒氏の狙い。今ひとつ理解できません。mikoさんいわく、黒が先手を取るため、とのことですが、仮に先手で右下にまわれたとしても、白から一間にトバれて打ち込みとハサミを見合いにされてぱっとしませんし、それを嫌って右上に手を入れても(白6へのツケくらいか)良い結果は得られないようです。
部分的には黒は地合いで大きく損をしているので、その損に見合うだけの手がないといけないのですが(右下小目ならシマリが大きいが)。
実戦は白12で13のキリへと進行したので、黒氏の意図がどこにあったのか分からなくなりましたが、黒15でどこへ打つつもりだったのか興味津々です。

ところで、三連星でカカリからの三々入りに、初級者のように反対側をオサエたのはあの武宮先生だったそうですが、ハサミは一間ですし、局面が少し違います(この件については、次回の日記で触れてみたいと思います)。


(;GM[1]FF[1]SZ[19]NE[B]SS[@22]AP[StoneLeaf2];B[pd];W[dp];B[pp];W[dd];B[pj];W[nc];B[kc]MK[Elc,Fkd]LB[lc:E][kd:F]C[二間のハサミは滅多に打たれない。ハサミならEの一間か、Fの二間高が普通。](;W[qc](;B[pc]C[実戦はこちらにオサエてきた];W[qd];B[qe]C[このハネが黒の狙い];W[qb];B[pe];W[pb]C[これが黒の注文。ただし、これで白が悪いかというとそうは思われない。](;[tt])(;B[nd]C[ツケはいい手だが];W[mc];B[md];W[ld];B[lc];W[le]C[ハネダシが];B[jd];W[mf])(;B[nq]C[手を抜けば。。。];W[ne]MK[Aph,Bic]LB[ph:A][ic:B]C[白トビが厳しい白からAとBが見合い]))(;B[qd];W[pc];B[od];W[oc];B[nd];W[mc];B[le]C[こんな進行が普通]))(;W[ne]C[二間のハサミはこの白の一間トビを打ちにくくした手。];B[pf];W[ke];B[id];W[qh]C[定石は白12だがすでに黒5があって打ちにくい];B[oc];W[nb];B[og]MK[Ald,Bqj]LB[ld:A][qj:B]C[黒からAとBが見合い];W[rj];B[qk];W[rk];B[ql];W[rf];B[ld];W[le];B[md];W[nd];B[me];W[mf];B[nf];W[kd];B[lc];W[lg];B[jd])(;W[qf];B[nd];W[qc];B[qd];W[pc];B[oc];W[ob];B[od];W[nb];B[ld];W[qh]C[黒5がすでにあるので大きくヒラけない]))
ぃーね!

コメント

2013年
10月09日
17:36

私が黒なら図のように打ちます。黒は次に上辺を2間に開くか左下の星に両がかりするかを見合いにします。

模様の碁では黒7のはさみは、私の日記で再三述べたように、位置がおかしいのです。低く1間にはさむか高く2間にはさまないといけません(高い1間でもいいかも)。ですから図で示した構想もあんまりパッとしないのです。

2013年
10月10日
09:32

2: docMM

> mikoさん

コメントありがとうございます。
記憶が定かではないんですが、武宮先生が打った図はこんなんだったと思います。
普通の定石に比べて一間狭くなっているため、白は打ち込みにくく、ここを地にしやすい、との判断でこう打ったらしいです。

2013年
10月10日
10:26

模様の碁というのは気持ちがいいだけで、模様を作る過程で相手に多くの確定地を与えていますから、勝つのは大変なのです。でも先に相手に確定地を与えることを恐れずに大きな模様を作り出すという所にロマンを感じる訳で、地が気になる人だとどこかで地を確保することに変化してしまうのですが、私はそれでは勝てない(初めから地を確保する打ち方をした方がいい)と思っています。

例えば私が示した図は右下から両翼を張った大きな模様がありますが、模様としては立派でも地としてはスカスカで、いくらでも侵入されてしまいます。侵入を歓迎する気持ちが無いと模様の碁は打てませんね。侵入されるとその地点に応じて「どう攻めていくか?」という課題を与えられる訳で、それを楽しむ気分が無いといけないと思っています。

棋譜作成
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