松江大好きさんの日記

(Web全体に公開)

2014年
03月22日
15:12

<論文コピペ>検知システム導入進む


毎日新聞に依りますと、日本の大学をはじめとした研究機関で<論文コピペ>検知システム導入が進み始めたそうです。

小保方さんの研究そのものの真偽についてはまだ分かっていないそうですが、マスコミの一部は変な目でこの研究者達を叩くようになってきておりとても残念なことです。

きちんと大学生時代にルールを教えなかったためと、極端な成果主義が原因となり、若い研究者に不正認識がないまま、今回の事態を招いてしまった可能性が強そうですが、責任をscapegoatのみに押しつけることにより、より大きなこれまでの大学及び研究機関の教育体制問題にふたをしないように切に望みます。

でも、コンピューターとインターネットの発展のおかげで、指導する先生達にとって便利なものができてきたものです。

以下、毎日新聞今日の記事のコピペです。

 新しい万能細胞「STAP細胞」を巡る一連の論文不正疑惑で、繰り返し指摘されたのが「コピペ(コピー・アンド・ペースト、複写と張り付け)」だ。研究の分野では「盗用」と呼ばれる不正の一つ。それを事前に見抜くチェックシステムやソフトを導入する動きが広がっている。不正が1件発覚すれば所属機関の損失は5000万円に上るとの試算があり、論文の質向上だけでなく危機管理の側面も強い。【八田浩輔】

 日本医学界の頂点、東京大医学系研究科をはじめ国内の研究機関が相次いで、世界最大の論文盗用検知システム「iThenticate」(アイセンティケイト)を導入し始めている。そのデータベースは約3800万本の論文・文献、学術分野以外も含む約430億のウェブページを集積。調べたい論文の電子ファイルを送信するとデータベース内の文章と似た文章、元の文献を探し出し一致率を表示する。無料公開されていない論文や文献なども網羅している。

 開発したのは米国の会社で、日本での販売元によると世界で約1万の研究機関が採用。国内では早稲田大が導入して以降、これまでに14大学・研究機関が導入を決めた。渦中の理化学研究所は含まれていない。文部科学省は2013年から全国の大学に博士論文をウェブ公開することを求めており、販売元の担当者は「不正抑止策として大学中枢の意識が高まっていると感じる」と話す。

 費用は年300万円と80万円の2コース。300万円コースでは年3万5000件の論文をチェックできる。高コストに見えるが、米国の研究グループが国内で起きたある研究不正の損失を試算(10年)したところ、調査経費などで約52万5000ドル(約5300万円)に達した。日本でも4月から、研究不正が発覚すれば所属組織の研究経費を削減するよう文科省の指針が改定される。研究機関にとっては手ごろな防衛策ともいえる。

 学生のリポートなどをチェックする簡易ソフトの導入も広がる。「コピペルナー」はウェブ上で検索できる文書を基にコピペをチェックする。09年に発売され国内で350以上の大学などで使われている。価格は9500円の廉価版から6万円台まで。「1日2~3件だった問い合わせが最近は3倍程度に増えた」と販売元のアンク社担当者。

 STAP細胞論文などのコピペ疑惑では無料のチェックソフトが活躍した。研究の中心となった小保方晴子・理研研究ユニットリーダーの博士論文と米国立衛生研究所のサイトに掲載された二つの文章が無料ソフト「difff」で比較され、類似を示したウェブページがソーシャルメディアを中心に出回ったのだ。

 ただし、いずれのシステムやソフトも画像は対象外だ。

 こうした「コピペチェッカー」の普及で不正論文は減らせるのか。研究不正に詳しい山崎茂明・愛知淑徳大教授(科学コミュニケーション論)は「ソフトを導入して対応するのも良いが、大学ではまず研究不正に関する教育を充実させるべきではないか。言葉の響きは軽くても『コピペ』が許されない重大行為であることを学生たちに認識させる必要がある」と指摘する。

 【ことば】STAP細胞論文のコピペ疑惑

 STAP細胞論文については1月30日付の英科学誌ネイチャーに発表直後、研究者向けの論文検証サイトで画像の不自然な点が指摘された。その後、論文の実験手法を説明した部分に、2005年にドイツの研究チームが発表した論文と同じ文章がコピペされている疑惑が浮上、さらに小保方さんの博士論文の導入部分や参考文献に大量のコピペ疑惑が指摘された。
ぃーね!

コメント

2014年
03月22日
21:47

この件に関しては、正直腑に落ちないところもあります。実験結果とその考察部分ではなく、導入部や実験手法の部分が類似していることが問題とされているからです。

まったくオリジナルな手法ならば他の論文からのコピペはそもそもありえませんが、実験手法がスタンダードな場合は、むしろ「まったく同じ手法を用いた」ことが実験の信頼性の担保ともなるからです。

例えば料理のレシピ本で、チョコレートケーキの作り方がまったく他の本と同じだからと言って、訴えられたとしたら困ったことになります。生チョコは決まった温度、決まった時間で作らないとうまく作れないので、そこにオリジナリティーが入る余地などないからです。科学実験は料理と似たところが多分にあります。

導入部についても、「何が今問題とされているか」などはもともと専門家の認識は共通しているので、ここで差を付けようというのはむしろ修辞学的な問題に思えます。非英語圏の人間にとっては正直苦痛です。下手に気の利いた英語を使おうとしても通じないのがオチですし。

2014年
03月22日
22:07

並のアマさん

生チョコによる解説、とてもわかりやすくて、疑問に思っていたことの一点が解消されました。

ありがとうございます。

論文を英語で書かないと、国際的に認められにくいのは非英語圏の人間達にとって大きなハンディになり、科学者にとって許されることだとは思いませんが大学時代にコピペ文化を生む、大きな要因の一つになっているのかもしれません。

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