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囲碁
9路盤誕生の秘話を「囲碁普及研究所」(碁盤と囲碁の数理)からの受け売りで、ご紹介します。
万博が大阪で行われた年1970年の2年前に、囲碁普及には19路盤は大きすぎるので9路盤か、13路盤かどちらかを商品化したいと考えて、呉清源先生に相談した。
先生は「13路盤はヨーロッパの人が13と言う数字を嫌うから、やめた方がいい」と言われた。
宮本プロ(宮本直毅九段)は呉清源先生の自宅に9路盤を持参して、2番対局した。その棋譜も残っている。宮本プロはその後、9路盤を2000枚作って関係先に配布した。
これが日本における9路盤商品の誕生である。
その後平成17年2月に関西棋院に宮本プロを訪ねた際に、驚くべき話をしていただいたので、追加したい。
「実は9路盤を出した直後の周囲の評判は散々であった。9路盤なんか作って、何を考えているんや、くだらん事は止めとき。と酷評を受けた。」
しかしその30数年後の今は、日本の囲碁教室には9路盤は不動の地位を確立している事は誰も疑う人はいない。
恐らく宮本プロは私が6路盤で苦労しているのを知って励ますために話してくれたものと理解している。
http://www11.ocn.ne.jp/~igo-298/index.htm
ヒカ碁ブームが始まる,大分前に宮本プロのおかげで9路盤が出来ていたわけです。
今、私などが考えますと、9路盤は実に絶妙な大きさだったと思います。
ご存じのように、囲碁の勝負は地の大小で決まります。
地の大小を争うためには、境界線がはっきりしなければ成りません。
境界線を、はっきりさせるまでに、19路ですとどうしても相当な時間がかかりますし、境界線を作るためのゲームだと考えますと、私などは面白くありません。
囲碁には、もう一つ石の生存を図り、また相手の石の生存を阻止するゲームという面があります。
いわゆる、石の取りっこゲームです。
この、石の生存を争う取りっこゲームをがんばり、結果確認のため陣地の大小を競うという面を強調すれば、あまり細かい理屈が分からなくても、競争心をあおる面白いゲームになります。
さらに盤面が小さいので、結果もすぐに分かるという、9路盤によって囲碁は子供にとっても面白いゲームに、生まれ変わることが出来ました。
石の生存を争うゲームと言うことになれば、読みを自然に鍛えることが出来るのです。
実戦の中の死活学習です。
9路で、境界線争いをしているゲームも、たまに見かけますが、圧倒的に切り結んでの生存競争が多いのが、9路ゲームの特徴だと思います。
このような、9路の性質から9路における置き石のは、13路・19路と異なり3*3と、石の生存に適した位置に設定された(実は見た目のバランスという説の方が有力w)のでしょう。
ネットゲームやゲーム機の普及により、対戦結果自動計算してくれるようになったのも、このように石取りゲームに専念できる環境を整えてくれました。
勿論、プロvsプロ対戦や、高段者による9路ゲームのおもしろさを否定しているわけではないのですが、入門者に9路盤で地合い計算をしてもらう必要が無いようにこの頃考えて居ます。
9路盤は、囲碁の石の取り合いのおもしろさを堪能してもらうため、ひたすら相手を「ぶっ殺せw」でも良いのではないかと思います。
そのうち、9路盤でも石の効率が勝敗に影響してくるのが、分かってくるようになってきますし、石の効率の学習をしたくなってきます。
石の効率学習の前に、十分な戦いの経験を積んでいないと、ひ弱な形だけの碁になってしまう危険があります。
このように9路で戦闘力を身につけ、石の効率を考えるため、戦略的な思考を使用とすると、もう少し盤面が広い方が戦略的に考えやすい。
と言うことで、用意されたのが13路盤です。
続く
コメント
06月07日
14:56
1: 並のアマ
私どもの子供教室では特に理由もなく、級が上がるにつれて9路、13路、19路の順に対局させていましたが、それほど間違っていたわけではなさそうで安心しました。