将棋の竜王戦、丸山九段が負けはしましたが、すさまじい粘りでした。同じ負けにしてもただでは負けないという気迫が伝わってきました。
米長さんの泥沼流もそうですが、将棋はこれがないと一流にはなれません。お互いに悪手が出て泥仕合になっても、勝てる力がなければ一流棋士にはなれません。
それに対して日本の囲碁のプロは勝負に対して甘い気がします。「勝ち負けよりもいい碁が打ちたい」というセリフは僕の嫌いな言葉の一つです。一手の悪手もなく碁を打ちきることは名人でも難しいというのはよく言われています。「勝ち負けよりもいい碁」なんて一年に何度も打てるものではありません。
日本の棋士は秀策の碁に対するあこがれがあるのかもしれませんが、あの有名な耳赤の一局も白が打ちやすい局面から秀策が粘りに粘って勝ちに行ったのです。
秀策が平明に打って勝てるのは深い読みと大局観によるものです。味よく形よく打っていれば勝てるほど碁は甘くないです。