どくとるさんの日記

(Web全体に公開)

2012年
02月19日
22:25

駱駝の分割問題にもの申す

タグ : 雑記(囲碁関係なし),仮想北海道一周
以前に春海さんが日記で紹介され、またこのたび鶴ピカさんがちょっと触れていた「駱駝の分割問題」について、思うところがあります。

これは、父が残した遺産である17頭の駱駝について、次のような遺言が残されて3人兄弟が頭を抱える、という話です。

次の比率で相続せよ。
長男に 2分の1
次男に 3分の1
三男に 9分の1

そこへ、ある賢者が通りかかって兄弟に知恵を授け、うまく解決して去って行った、さてその知恵とはなんでしょうか、という問題です。

以下、解答を書いてしまうので、知りたくない人はまずここで止まって解答を考えてください。いいですか?


ここから下は、解答を知っても構わない方だけお読みくださいね?


・問題点
問題の所在は、通分すると18分の9・18分の6・18分の2で、全部足したら18分の17だけど、そもそも駱駝は17頭しかいないのでこの比率では分割できないぞ、ということです。だからこそ兄弟は頭を抱えていたわけです。

・賢者の解答
これに対して、通りがかりの賢者は自分の駱駝を一頭差し出して、これを使ってくださいと言う。総勢18頭になった駱駝を、長男が9頭、次男が6頭、三男が2頭とって、余った一頭は元通り賢者が連れて帰った、というのが解答らしいですね。

・さらに問題提起
しかしながら、この解答にはすごい疑問を感じます。そもそも私は言いたい。

「比率通りに分割できてないじゃん」

賢者の駱駝を一頭加えたってなんですか?相続財産じゃないものを持ち出して、これを加えましょう、って、え?どうして???

他人の駱駝は所詮他人の駱駝。依然として相続財産が17頭の駱駝であることに変わりはなく、結局兄弟たちは17頭の駱駝を17分の9、17分の6、17分の2に分けたにすぎません。これでは遺言に反しています。そもそも、外から来た財産を加えて相続財産を増やしているのが欺瞞に過ぎないと言いたいのです。貴様それでも賢者か!

今風に表現しますと、相続コンサルなめんじゃねーぞ、という感じでしょうか。

・現代の法律では?
ちなみにこの話を現代の日本の法律に当てはめますと、遺言が指定したのが駱駝の分割割合についてなのか、それとも遺産全体の分割割合についてなのかでちょっと事情が変わります。

まず、駱駝の分割割合だとすると、現実にはその比率での分割が不可能なので、

①全部換金してお金で分ける
②近似値で分割して(例:長男9頭次男7頭三男一頭など)、ワリを食った誰かに余分にもらった者が金銭で弁償をする

などが代替策として取られることになります。

この場合、いずれにしても駱駝全体の価値に対して18分の1相当が宙に浮くことになります。それについては遺言に何も指定がないので、法定相続分通り各自が相続することとなり、それぞれが18分の1の3分の1、54分の1相当の金銭を得る権利を持つことになるでしょう。従って、それを前提に①の場合でも②の場合でも正しい分配額が算出されることになります。

難しい話をすると、要するに

長男 9/18+1/54=28/54
次男 6/18+1/54=19/54
三男 2/18+1/54=7/54

が、正しい相続割合である、という事になりますね。現代の法律は、宙に浮いた18分の1などというあいまいなものの存在を許していないのです。

遺産全体の分割割合の話だとすると、他の遺産との兼ね合いによってまるで事情が変わってきます。現金・預金が沢山あるならそこでいくらでも端数調節できるし、他にもし大きな土地とかあったら、駱駝よりそちらの分割方法の方がよほど重大事になるでしょう。まあ、いずれにしても各自の真の相続割合は上に記したとおりです。

結局、この場合は一概に説明できない、というのが模範解答だと思います。

・うちの者が考えた解答
さて、この問題に対してうちの職員が考えた解答は、「肉にしてグラムで分ける」です。上記の、全部換金して金銭で分ける、という発想と似ていますね。
余った18分の1の肉がどこに行くのかは知りませんが、とにかく18分の17まで肉を平等に分けることはできそうです。

解答としては悪くないと思うんですが、人や物の運搬に使用される乗り物である生きた駱駝と駱駝の肉とでは随分価値が違いそうで、おそらく肉にしてしまった時点で駱駝の価値が激減しそうなのがエレガントと言い難いです。そのような解決策を示した者を賢者と呼ぶのにも抵抗がありますね。

・私が考えた解答
これは私がこの問題を聞いて最初に考えた解答ですが、自分ではかなり気に入っています。

私の解答は、繁殖させて1頭増えるのを待つ、です。もともと相続財産が生き物であれば、繁殖するのも計算の内でしょう。あえて分割しないで、しばらく待つのです。そして、1頭新たに生まれた時点で晴れて駱駝は18頭になりますから、長男が9頭、次男が6頭、三男が2頭取ればいい。見事に遺言の通りです。

ここで、駱駝が1頭余ることになりますが、これは賢者がもらって乗って帰るなり荷物を運ばせるなりすればいいというわけです。コンサルタント料です。

これは、遺産が18分の1単位では割り切れないという問題を発展的に解決しているので、よそから便宜的に1頭足す、という騙されてるみたいなやり方よりもエレガントだと思っています。

私が税理士として実際にやっている仕事も実はこんなようなものですから、けっこうすんなり思いつきました。知恵を提供して問題を円満に解決した者には、おこぼれにあずかる権利があるのです。そうであってほしい。てか、そうでないと困ります。

「すなわち、後のコンサルタント業のはしりである」

みたいな感じで落としたいものですね。いかがでしょうか、皆様どう思われますか。



仮想北海道一周
走行記録
2012年2月
1日 9.2㎞
2日 9.4㎞
3日 21.0㎞
4日 0㎞
5日 10.5㎞
6日 15.6㎞
7日 16.8㎞
8日 18.3㎞
9日 12.1㎞
10日 5.1㎞
11日 16.9㎞
12日 2.9㎞
13日 19.8㎞
14日 17.0㎞
15日 7.0㎞
16日 8.3㎞
17日 11.5㎞
18日 12.0㎞

10月の累積走行距離 196.8km
11月の累積走行距離 213.9㎞
12月の累積走行距離 452.0㎞
1月の累積走行距離 417.3㎞
2月の累積走行距離 213.7km
ここまでの累積走行距離 1474.7㎞

現在地:白糠(しらぬか)町、道の駅しらぬか恋問の300m手前
ぃーね! (1) 並のアマ 

コメント

2012年
02月20日
00:14

1: -

すんばらすぃ~指でOKるんるん

2012年
02月20日
00:54

この遺言ですが、「一回の計算で遺言の配分を完結させろ」とは言っていないわけです。
そのため、計算を1回だけ行うと、確かに18分の1が浮いてしまいますが、これだって遺産の一部ですから、当然遺言に従った比率で配分しくてはいけないと考えます。
ということで、余った18分の1を同じ比率で配分し、また2回目の計算でも余った18分の1を同じ比率で配分し・・・と繰り返していくと、程なく長男に配分された合計は8.999999・・・、次男には5.999999・・・、三男には1.999999・・・となり、結論は解答と一緒になります。
結局、この問題の本質は、「2分の1、3分の1、9分の1」を通分した、「18分の9、18分の6、18分の2」の分子である「9:6:2」の比率で遺産を分けろと言うことなのではないかと思います。

とはいえ、確かに18分の1については遺言に残されていないのだから、この部分は3分の1ずつ分けるという考え方もあると思います。
ただ、別に3分の1ずつしなければいけないという決まりはありません。ここは自由に配分できるところかと思います。(法律は無視します。日本の法律を適用して、「三男には遺留分があるから最低6分の1はもらえるはず」とか考え始めると、問題として成立しなくなります。)
長男は「残りの部分も同じ比率で分けるべきだ」と主張するかもしれませんし、逆に三男は「長男、次男は多めにもらってるんだから、余りは俺によこせ」と言うかもしれません。
この辺りは、相続で一番もめる部分と言っても過言ではないと思います。

また、「駱駝の遺産相続」がテーマになっていることから、駱駝がそれなりの価値を持つ社会であることは間違いありません。
換金したり、食肉として分けるのは、仮に学問的には最善であったとしても、実際にはあまり良い解決法ではないことが予想されます。

ということで、「自分の駱駝を1頭加えて計算する」という一見わけの分からない行為によって見事に配分して見せることで関係者を納得させ、これらの問題を一挙に解決したというところが、「賢者」たる所以ではないでしょうか。


少し話がそれましたが、余りの18分の1について明確な決まりが無い以上、
>結局、この場合は一概に説明できない、というのが模範解答だと思います。
というのが、本当の解答なんでしょうね。

2012年
02月20日
04:00

この問題、むかしは同じような疑問を強くもち、全然納得してませんでしたが、今は、「やるなあ賢者さん」と思います。
1頭増えるのを待つというのは、今一つかなあ。駱駝が生まれて成長する間待ってろ、って、駱駝の寿命という遺産の価値が減ってしまうことを軽く考えすぎではないかと。だったらいま足しちゃえよ、と自分がクライアントなら言いそうです。それは理屈が通らない…、とか言い出すコンサルは、兄弟全員を説得してクビ。(^_^;)
この話、遺産が駱駝で、遺産の価値を減じずに、分けられないだけでなく、時の経過を待つこともできないところがポイントですね。

2012年
02月20日
08:59

雨さん
私の解答がどのくらい素晴らしいかはともかく、このクイズの解答は不完全だと思うんですよね~

hirohiroさん
さすがですね。その賢者が、同様の極限計算を持ち出して「だから9:6;2で分割すればよろしい」と説明したなら賢者だと認めるのにやぶさかではないんですが……
少なくとも、私なら1頭加えるという変な頓智では納得しないので、やっぱり賢者の説明は今一つかなあ、と。

きゃれらさん
話の主眼をどこと考えるかですねー。問題の迅速な解決を第一に考えるならおっしゃる通り賢者はなかなかやると言えますよね。
もしも、遺言通りの分割が最重要課題だとしたら、賢者の方法は50点くらいじゃないでしょうか。
ちなみに、私がその賢者だったら「9頭と6頭と2頭で分けても誰も損をしないんだから、それで納得しましょうよ」と説得を試みます ^^;

棋譜作成
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