鈴鹿本因坊さんの日記

(Web全体に公開)

2012年
08月19日
09:44

負けて熱くなる心理


ネット碁で惜しい碁を敗れ、続けて何回もやってしまう。『勝つまでやめない』などと自分に言いきかせて。 誰にでも経験あるだろう ”あの気持ち”である。 ネット碁ならいいがこれがギャンブルだった大変な事になってしまう。

どうしてああなってしまうのか? たぶん「苦しみから一刻も早く解放されたい」から ではないかと思う。 そのためにやる事は? 暑ければエアコンをつければいいし、腹が減ればコンビニへ行けばいいのだが、勝負事はそう簡単ではない。 同じ事をやって勝たなければ、”あの気持ち”は癒せないのである。 でもそれは結構大変なことでもあり、そこが魅力でもあり、またその為に努力するのである。 ”負けず嫌い”というのだろうか。

でも”本当の負けず嫌い”というのは、もっと根深いものらしい。
また坂田栄男先生の例で恐縮だが、先生は初挑戦の本因坊戦で3-1とリードしながらあと1つが勝てずに敗れた。先生はその晩、男泣きに泣いたという。 先生の書物はたくさん読んできたが、端々にその敗戦の事が出てくる。その時の気持ちや反省などが。 おそらく一生忘れた事が無かったのではないだろうか。

今回五輪で銀メダルを獲得した卓球の福原選手。 前回北京五輪では3位決定戦で韓国に敗れた。 その時の韓国選手の喜んでいる写真を練習場に貼り、この4年間やってきたのだという。
エピソードとして新聞にあっさりと載っていたが、これは信じられない事だ。 何しろ「一刻も早く苦しみから解放されたい」のだ。 それを、わざわざ思いだすために、傷口に自分で塩を刷り込んでいる。

こういう話を聞いてしまうと、「負けては熱くなり、勝てば『ほっ』とする」というのが何か軽薄に思えてくる。 まあモチベーションの保ち方は人それぞれだし、どこに目標を置くかでやり方は変わってくるので一概には言えないのだが。

オリンピック観ながら、ネット碁やっていて感じたことです。
ではまた。
ぃーね! (3) pin7xp  ゆかりか  やじるし 

コメント

2012年
08月19日
09:50

1: pin7xp

深い言葉ですね
カミソリ坂田も負けた時のことを意識していたのですね
臥薪嘗胆をモチベーションにしてるのですね
この五輪銀の愛ちゃんもそうだとは、、、。

私自身 虚空蔵求聞持法で「負けた碁」と「とても素晴らしい棋書の一頁」を念頭に置きながら他の雑事にあたり、ギャンブルモードを克服しようとしています。 ただギャンブルモードは希釈すれば幸せの元ですよね

2012年
08月20日
20:43

僕なんかは同じこと繰り返してしまうけど、上にあがる人は自分をぶっ壊してでも、目的を果たしてしまうんですね。

棋譜作成
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