まあ何かにあったようなタイトルだが、うちには齢70のクソジジイ(以下、老害虫)が寄生している。
うちの親の、世間で言う内縁の夫とかいうやつかな。
もう20年近い付き合いだが、数年前仕事を退職して、うちの親以外は殆ど誰とも付き合わず家に引きこもってテレビばかり見るような生活送るようになってから、一気に頭がおかしくなった。
事あるごとに、僕に因縁をつけてくる。
まあだいたいは、僕が台所を使った後に机に水滴が残っているとか、本当にどうでも良いような些末な事を理由にごちゃごちゃ言ってくるのだが。
そのくせ自分は可愛がってる犬のしつけもろくにせず、家の中のあちこちに小便を垂れ流すままにさせている。
僕の卓球台の足とかも、被害を受けているのだが。
自分の事は棚に上げて、人の事ばかりごちゃごちゃ言うので本当に始末が悪い、まさに老害虫だ。
つい数日前もその老害虫がまたそういう文句を言ってきたので、僕も頭にきてとうとう、「やかましい!黙れ!」と言い返した。
その時の老害虫の反応がなんかオモシロかった。
まさか僕にたてつかれるとは思っていなかったのか、こちらを見て少しフリーズしていたのだが。
てっきりすぐキレて飛びかかってくるかなと思っていたが、残念ながらそうはならなかった。
そうなれば家を追い出す良い口実も出来るというものだが、老害虫もまださすがにそれぐらいの事を理解する程度の理性は残っているようだ。
その後は感情的な言い争いが少しあって、老害虫が僕に「40も過ぎとるくせに云々…」とか言ってきたので、間髪入れず「そっちは70過ぎでボケとるやんけ」と言い返した。
すると老害虫は「おお、おいはボケとるさ」とか開き直ってきて、「でもバカよりまし!」ときた。
意外にキレない。
まあ僕は確かに40過ぎで自立もしていないが、そもそも精神手帳を持っていて福祉施設通いのうえ、障害年金まで貰っている身だ。
普通の40過ぎと同レベルを求めるのは無茶というものだし、老害虫も20年近い付き合いでそれぐらい知っていたはずだが、もはやそういう事まで計算に入れる程度の思考力も残っていないようだ。
今回はその後お互いバカとか何とか子供の喧嘩みたいな言い合いになって終わったが、この調子だとまた近いうちにいざこざがありそうだし、老害虫もボケが進行して理性も無くしていくだろう。
そして手が出るようになれば晴れてタイトルにもある、かつて人間だった獣たちの一員というわけだ。
昔の人達は、家の年寄りがそうなったら山へ捨てていたようだが、獣を山へ帰すという意味では、割と合理的な事だったのかもしれないなと思う。