長崎美人さんの日記

(Web全体に公開)

2011年
09月13日
12:30

プロの碁に学ぶ(7) 羽根vs小県 厚みを生かした攻め

タグ : プロの碁に学ぶ
プロの碁の棋譜並べの方法は人それぞれと思うが、
私の場合、あまり時間をかけず、5分くらいで並べる。
全体的な石の流れをつかむことに重点を置く。解説があってもほとんど見ることはない。

問題手と言ってもプロが読みを入れて打った手であり、詳細な検討を加えたうえでの結論。アマが理解できるはずがない。時間の無駄だからプロが打った手はみんないい手と解釈する。部分より全体の石の流れを見ることが大切と思う。

次に、実戦でよくできる形や自分がどう打てばいいか悩んだ局面が出てくる場合、注意して並べる。自分にないプロの発想も非常に参考になる。

この碁は30年前の布石教本に出てくるような碁だ。
黒が4隅を占め実利で先行し、私が白だったらとても勝てそうにない碁だ。

ましてや、黒は天下の羽根碁聖。だが、小県九段の厚みを生かした本格的な攻めが実にすばらしい。無理せずじりじり攻めあげて優勢を築いている。コウを解消した時点で白の勝ち。全体的な流れの中で白の攻めを学ぶ好局と言える。

(;GM[1]FF[1]SZ[19]NE[B]SS[@@]AP[StoneLeaf2]PB[羽根直樹碁聖]PW[小県真樹九段]DT[2011.9.11]RE[W+R]GN[大和証券杯]SO[110913_54]RU[JP];B[qd];W[dd];B[pq];W[dp];B[oc];W[po];B[qo];W[qn];B[qp];W[pn];B[nq];W[pj];B[qh];W[dj];B[fc];W[oh];B[cf];W[fd];B[gd];W[fe];B[cc];W[ec];B[cd];W[gc];B[oe];W[lo];B[fq];W[eq];B[fp];W[dn];B[ip];W[lq];B[im];W[gm];B[kp];W[mq];B[np];W[mo];B[kn];W[jr];B[cq];W[er];B[co];W[do];B[bn];W[cn];B[bo];W[cl];B[cr];W[ik];B[kl];W[lm];B[km];W[kj];B[mm];W[ml];B[ln];W[mn];B[ll];W[nl];B[hl];W[go];B[hq];W[io];B[ko];W[nr];B[or];W[iq];B[hp];W[in];B[jq];W[ir];B[gn];W[fn];B[hn];W[ho];B[hm];W[fo];B[hk];W[hj];B[gj];W[gi];B[ij];W[hi];B[fi];W[jj];B[fk];W[ej];B[fj];W[dg];B[fg];W[cg];B[df];W[eg];B[gh];W[bg];B[bf];W[db];B[cb];W[ii];B[ig];W[ie];B[jf];W[kd];B[lf];W[mj];B[hc];W[fb];B[li];W[mi];B[jd];W[je];B[ke];W[ld];B[jc];W[if];B[jh];W[kg];B[kh];W[lg];B[jg];W[lh];B[kf];W[gf];B[hg];W[kb];B[mb];W[jb];B[ng];W[qg];B[rg];W[pc];B[pd];W[rh];B[ri];W[ph];B[sh];W[qi];B[qj];W[rh];B[hf];W[he];B[qh];W[jm];B[jl];W[rh];B[lj];W[lk];B[qh];W[ca];B[pi];W[bb]ID[1])
ぃーね!

コメント

2011年
09月13日
23:56

1: 宗久

手厚く打って、コウで決めるなんて厚み派からしたら最高の勝ち方ですね。
攻め勝つ碁が少なくなっているのでこういう碁をみると嬉しくなります。

2011年
09月14日
00:24

コウに強くなるのが、碁に強くなるコツですね。
最近分かってきました。

2011年
09月14日
05:20

3: -

>プロが打った手はみんないい手と解釈する
私も、いつもそうしています。
わが意を得たり。
古碁の手や絶滅定石も、その時代では咎める人がいなかったので、第一人者たりえたのでしょう。
ですから、それなり価値がある手だと思っています。
実際、絶滅定石を使ってみると勝率がよかったりします。

ただし、私は到底5分では並べられません。
1時間以上かけることも、しばしば。(解説も読むし、変化図も並べる。)

2011年
09月14日
09:37

その人の目的や棋力に応じて、色んなやり方があるようですね。
中には、左手で並べる、逆(ヨセ)から並べるなど・・・、そう言えば
NHKでさかのぼり日本史といういい番組がありましたが。
私の場合、限られた時間で、できるだけたくさんの棋譜を並べたいので、手数もせいぜい100手位までです。読書でいえば精読より多読です。いずれにせよ、高段者にとって、プロの碁は宝の山ですね。1局の碁には必ず何か学ぶべきものがあります。その感動を自分の頭の中に定着させるため、日記でUPしていくこととしました。

2011年
09月14日
11:49

5: 宗久

そういや張ウさんの本を読んで、コウを軽くするアプローチが書いてあったのでいたく感動しました。真似できませんけど。

棋譜作成
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