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棋書
ソボンス九段の「天下四目」読んでます。天下四目とは、四目置けば天下に敵はないくらいになろう、という趣旨のタイトルだそうです。
一度さらっと読んだ時も、この本義行流に通じるものがあるなと思ったんですが、細かく読んでいくとやはり似ています。
図の局面、白1のヒラキに対して黒はヒラキ過ぎを咎めたくなるけど、自分が安全になるまではじっと我慢して黒2とシマリなさいと教えています。
(;GM[1]FF[1]SZ[19]NE[W]SS[@12]AP[StoneLeaf2]AB[nc][dp][pp][pd][dd]AW[qf](;W[qk];B[nq])(;W[cf];B[fc];W[ck];B[qj];W[fq];B[cn];W[dr];B[cq];W[cr];B[en]C[こうなっては黒は窮屈で、非常に不愉快。]))
これは、言い方は違いますが義行先生の「ヒラキが星を越えたらカカリと思え」という教えと趣旨は同じです。
ただ、この路線の教え方としては義行先生の方が一日の長があると思います。義行先生は、このケイマ受けの趣旨をもっと具体的に説明されていますので……
つまり、このヒラキに手を抜くと逆に白が黒2の位置にかかってきて、黒がケイマに受けて白がすべって、黒が三々に受けた時、2-2に這いこんでこられて黒にはもう右辺を二間に開くスペースがないから形が崩れる、という非常に具体的な理由を示しているのです。(変化図をご覧ください)
実際、先だって私が並のアマさんに5子で挑んだ時にピシャリそのとおりに打たれて序盤から一本先取されたという苦い思い出があります。
そういえば、アマ強豪の親戚と去年の正月に打った時も同じ目に遭いました。なかなか学習しない私です ^^;
しかし、この方向性で碁を指南する本としては私の知る中では3番目ですね。一つは言わずもがなの革命的格言講座、もう一つは「この世から置碁をなくそう」です。
この本は、どちらかというと「置碁をなくそう」のほうに近いようです。なぜなら、一間受けを教えていないからです。
ソボンス九段と言えば、碁は調和だとかいう人間のことが理解できない、碁は戦争だとか殺し合いだとかいう殺伐とした言葉の方がしっくりくる、という言葉を残している韓国の強豪です。そんな血なまぐさい印象の人ですが、だからこそでしょうか、戦う前に自分を完璧にしろ、という教えを広めようとしているようですね。