T君は昨年高校選手権で全国ベスト8に入った。
幽玄や東洋でも8段で打てる実力がある。
昨日の祐徳本因坊戦にはT君も参加した。
昨年は見事代表の座を射止めたが、今回は準々決勝でライバルの高校生O君に敗れた。
関西のR大なら囲碁推薦で行けたようだが、W大一本に絞って浪人するという。囲碁に打ち込む若者の前途に幸多かれと祈りたい。
5月までは囲碁をやるという。敗戦後、私と打ちたいという。私は大会で負けた後は、碁を打つ気分になれないのでお断りしているが、T君だけは別だ。久しぶりの対局になった。
T君とは中学以来からの付き合いだ。
長与町囲碁教室で育ったT君は、ジュニアではズバ抜けた逸材だった。
面識はなかったが、彼のお父さんから電話があり、指導を請われた。
都合のつく限り、休みの日にマンツーマンで互先の実戦指導を行った。
それでも全国のレベルは高く、高2までは枠抜けができなかった。
最後の1年で力をつけ、私も手に負えないくらい強くなった。
昨日の対局も負かされた。もう、T君に教えることは何もない。
それでも序盤の打ち方など、私に意見を求めてくるのは嬉しい。
受験失敗の悲壮感などみじんもない。ただ、わずか数か月という限られた時間を懸命に碁に生きようとしている。
燃え上がる情熱とほとばしる気力で、囲碁と受験に打ち込んでほしい。
T君の健闘を祈りたい。
コメント
03月19日
16:19
1: -
ひたむきな若者の姿に心打たれますね。
ありがとうございました。
03月19日
16:45
2: 長崎美人
高一の教科書に高村光太郎の詩「若い人へ」が載っていました。
「若いのはいい、若いのはいい。何かが知りたくて、知りたくて、又遊びたくて、遊びたくて、疲れるといふ事か疲労でなくて休息であるほど、若いのはいい。・・」当時はよく意味が分からなかったけど、歳を重ねるごとに、若さの素晴らしさが身に染みて分かってきますね。
03月19日
21:38
3: しろへび
私もかつては囲碁と勉学の両立を目指しましたが、囲碁への情熱はそのときは大したことなかったからなあ。
Tさんも願いが成就するといいですね。
03月19日
22:17
4: 長崎美人
碁が強い子は学業も優秀ですから、囲碁を取るか、学業を取るか、両立を目指すか、どこかの時点で、難しい問題に直面します。周囲はただ温かく見守ることしかできませんね。