長崎美人さんの日記

(Web全体に公開)

2012年
08月22日
00:13

引退宣言


来月23日は、今年最後のメジャー棋戦、地元新聞社主催の県最高位戦。
3大棋戦、祐徳本因坊、NBC大会の優勝者と地区予選代表の計32名で、、文字どおり最高位を争う。仮に優勝することがあれば、これを機に事実上、引退することを決めた。

主要大会には、メジャー6棋戦(朝日、毎日、世界アマ、祐徳、NBC、最高位)と、諫早つつじ祭り、あじさい祭り(ケーブル)、赤旗の9棋戦があるが、最高位を取れば、私にとってグランドスラム達成になる。囲碁人生の区切りと考えたい。最近の優勝は、M崎君等の欠場による外部要因も大きいが、私にしては上出来と言える。実力的には、まだ及ばないが県内では5本の指に何とか入れるくらいか。

思えば、若い頃からほぼ同年代のM崎君の後姿を追いかけてきた。
大会では、私はダークホース的存在で、トップクラスには及ばず悔しい思いをした。
昔、準優勝男(優勝1回、準優勝20数回)と言われたM木さんという人がいたが、私は30代でその記録を抜いてしまった。自慢にはならないが、準優勝回数では私の記録は破られることはないだろう。30回までは数えていたが、恐らく今では40回位か。

40代になって、諸事情により囲碁を断念せざるを得なくなった。
6年前に県を早期退職して自由人になった。碁をやるために職を辞したという噂があるが、時間ができたから碁を再開したに過ぎない。
失われた10年。コミが6目半になったのも知らなかったし、囲碁界は一変し、張や井山など知らないプロ棋士の時代になっていた。

しばらくして県大会に参加するようになったが、県大会で優勝することなど2度とないと思っていた。当時の長崎は、トップクラスを押さえ、かずも君の1強時代だった。5年ほど前、世界アマ県大会決勝戦の檜舞台でかずも君と打つ機会を得た。大方の予想を覆し、善戦して土俵際まで追い込んだ。最後は時間切れで敗れたが、この一戦は自信につながった。再び天下取りに執念を燃やし始めた。

その後、かずも君は長崎を離れたが、M崎君、Y田氏など強豪の層が厚く優勝は簡単にできなかった。忘れ物を取り戻すように、徹底的に勝負にこだわり、優勝することだけを目標にした。地獄の時計のたたき合いも何度か経験した。
しかし、優勝や勝負にこだわることは、そろそろやめにしたい。

邪念を捨て、純粋な気持ちで碁盤を見つめ最善の手を求める。
少しは品格のある碁を打ちたいと思っている。棋風改造もその一環の意味がある。少なくとも相手が時間がないときは時計を押さないくらいの思いやりは持ちたい。大会は出るが勝負にはこだわらない。それが事実上の引退を意味する。

基本的には、実戦は打たない。大会とお付合いの団体戦と研究会だけにする。研究は趣味なので続けて行く。しかし、若い人の壁になれるよう自己研さんに努める。手を抜いて負けるのは簡単だが、私ごときを実力で負かせないようでは、飛躍はできないと思っている。

全国に夢を抱くには、あまりに年齢を重ねすぎた。
県大会優勝に執念を燃やすのも心身ともに疲れ果てている。
今後は気を楽にして、碁盤に向かっていきたい。
ぃーね! (13) ひろ@  るき  tosi_nori  氷室  べあ~ 

コメント

2012年
08月22日
01:32

それだけ長い期間、目標に向かえるのは素直に凄いと思います。

ヒカ碁のプロ試験での名瀬の台詞にもあるように、満足できる碁がなまじ打てるばかりにここまできたんでしょうね。

有終の美を飾ってくれるのを期待して遠方より応援してます。
(よくわからない世界ですが)

2012年
08月22日
04:45

2: -

囲碁人生、興味深く拝読いたしまいた。

グランドスラムを取れば、実戦(勝負碁)は引退、ということですか。
いろいろ葛藤があった上でのご決断と察します。

美人さんが赫々たる戦果を上げてきたことを改めて確認し、連載中の講座(レスをあまり書きませんが愛読)の有益性を確信しました。

2012年
08月22日
07:40

囲碁に対する関わりあい方を変えるということで、goxiは長崎美人さんにとってますます有用な場となるのではないでしょうか。
これからも時間があれば私たちのような級位者をご指導くださると幸いです。

2012年
08月22日
08:52

アマチュアは楽しむことが一番ですよね。若手には我々を乗り越えて頂きましょう。

2012年
08月22日
09:01

たいへんな決断だったと思います。
今後も普及や後進の育成にご活躍期待しております。

2012年
08月22日
10:19

私の今の状態はまったく書かれている状態と同じです手(チョキ)

私の場合、下手に狙いに行くと自分に負けるので勝負は二の次という気持ちで打ってます手(チョキ)

2012年
08月22日
12:39

私も引退を考えた時、勝負は嫌いだけど碁は好きだった事に気が付きました。

第一人者の道を進もうとして重荷を背負っていかれるより、碁を目一杯楽しむ方が全然幸せだと思います。

勝敗はともかく勝ちたいとかいう邪念を捨てた人こそが強くなるような気もします。

2012年
08月23日
01:27

自分と同じで精神的な引退ですね。
第一線にいつづけるのは大変なことです。

自分も精神的に引退するとは言いましたが、ギャップにまだ慣れていない自分もいます。

囲碁では楽しんで取り組みたいですよね~。
若手の指導もお願いします^^

2012年
08月23日
10:24

皆さん、いろいろと貴重なコメントありがとうございます。
引退と言っても大げさなものではなく、人生の残り時間が少なくなったので、囲碁への関わり方を見直そうと思っているだけです。予定どおり、囲碁人生の最終ステージに立てればいいのですが。
今日からアマ本全国大会に行ってきます。
昨年の世界アマは心躍る参加でしたが、今回は静かな気持ちで臨めます。最低2局打つので、嫌でも全国諸強の力を肌で感じることになるでしょう。

2012年
08月23日
20:07

11: -

色んな葛藤があったと思いますが凄い決断だと思います。
これからも囲碁の楽しみを伝えて下さい。

棋譜作成
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