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タグ : AlphaGo
民放のニュースに取り上げられたり、新聞全国紙の1面に載るなど囲碁界のみならず、一般の注目度も急上昇のDeepMind Challenge Matchですが、ベールを脱いだAlphaGoについて何か書いてみたいと思います。

まず、アルファ師匠（あえて擬人化）の特徴とか。
去年10月の対Han Hui二段のときのAlphaGoとはCPUの数も違うし、ディープラーニングで1日100万局もの学習をしていて日々進化しているので今回のAlpahGoは別人（人じゃないけど）と見るべきです。

■棋風的なもの
　自由自在。あえて言えば手堅く、手厚い棋風。
　こんなんで間に合うのかという感じでしっかり守って、後で強く戦う傾向。
　コウが出来にくいのは手厚く、コウに強い碁形にしている事もあると思います。
　ただし、第一局の序盤の様に局面によっては激しく戦う面も。

■特徴
　やはりモンテカルロ法のアルゴリズムの特徴が強く出ていて、最善手、最強手を目指すのではなく、より勝つ確率の高い手を選ぶようです。
　損な手でもリードしていれば平気で打ってきます。だから、AlphaGoが損な手を打ち出したら、私の様なアマでもAlphaGoの方が形勢が良いんだなと判ります。

■強いと思うところ
　形勢判断が正確。一部のプロが言及している様に人間では計算できない中央部分の計算ができていると思わせるところが特に凄いと思います。
　第一局を見る限り厚みの評価も人間より優れている可能性があります。右辺の車の後押しですが、常識的には悪い打ち方とされていますが、右辺への手段を正しく把握しているので損とは考えていない様に思います。

■謎
　最大の謎は、実際AlpahaGoはどのくらい強いのか？
　李セドル戦で世界トップレベルより強いという事がわかりましたが、まだ底は見えていません。リードすれば手を抜いて確実に勝とうと緩めてくるのでそんなに強い様には見えませんが、李セドル戦の3局を見るかぎりAlphaGoが確実にリードを許した局面はないように思えます。
　１、2局を見るとAlphaGoは序中盤で互角の形勢だったら良しという戦略の様です。基本的に互角の形勢、もしくはリードした局面では簡明な変化を目指す。変数を極力減らし、盤面を狭くする様に打つ、と言うような打ち方をします。
　今回は7目半のコミがあるので1局目は白番のAlphaGoが序盤積極的に動いていました。この様に戦う棋風は去年10月Fan Hui戦ではみられなかったので話題になりました。
　しかし、3局目の白番では序盤早々に優勢になった事もあり安全運転に徹していました。

　コウを避けるのでコウが弱点ではないかという議論もありましたが、3局目でその点も問題ない事が判明しました。コウにしないのは簡明化を目指すAlphaGoの特徴によるものだと思います。

■一局目
　左下、黒1（79手目）のカカリに受けずに白2（80手目）に守った着手がアルファ師匠の真骨頂でしょうか。左上は３３に手段が残っており、まだ完全に地ではありません。
　AlphaGoは上辺黒から策動される手を封じて簡明化を目指します。守って悪くはないと言っているようです。
　黒3（81手目）と両ガカリしては李セドル優勢ではともっぱらの評判でしたが、後で調べると黒がリードというわけではなかった様です。