第63期本因坊戦最終予選結晶(毎日)
白 十段 趙 治勲
黒 棋聖 山下敬吾(コミ6目半)
2007年8月23日日本棋院
出典:「囲碁」2008年1月 p108
1-50手
【白4】ここだけ星目。他はすべて小目。
【黒7】少し広いと思うが、黒は後ほど黒5の右斜め下にコスミ白による割打ちを防いだ。
【黒9】こんなに狭い所へ割打ちした後、どのように生きることが出来たか? 左上隅の黒群とつなげて生きられた。更に、右辺に割打ちした黒群とつなげて右辺の黒群を助けた。
辺や隅に根拠となるスペースを持った群を幾つか作り(この対局では、黒3群、白3群)他は、相手の陣地に打ち込んで中央へ逃げ出す(この対局では、黒1群、白2群)。自分の根無し草をどう生かし、相手の根無し草をどう殺すかが、碁の一つの争点となる。
【黒15】白14と詰め寄られてからのこの手。白3子の根拠を制限して、黒9への攻撃を緩和しようとした?
【黒17】挟まれた石が逃げる時には、中央へ一間飛びとする。
【黒19】無闇と中央へ逃げず、一間飛びで三角形を作る。
【白22】見上隅の白群、左上隅の白群、上辺中央の黒群が概ね治まったので、新しい局面へ転戦した。左辺が黒っぽくなっているので、それを消すためにここへ着手した?
【白26】もう一路上の方が地が広く取れて良いように思うが、3間の間では割打ちされる可能性があるので、それを嫌った?後の進行を見ると、これでも十分に収められている。
【黒27】白4に掛かるのに、こちらの方が、黒25、黒21の2子と連携して陣形を築く可能性が高いように見える。
【白28】3線に置くのは、地の構築を重視しているが、黒に左から挟まれることを考えると、4線の方が中央へ逃げやすく良かったかもしれない。白28は、攻められたら、右下隅の白4と連携するか又は、左辺下部の白群と連携するしかない。現時点での可能性は、左辺の方と連絡する方が高い?
【白34】白32、黒33、白34の交換は、下辺白2子が苦しい。
【黒35】このような攻めはケイマではなくコスミの方が、足は遅いが堅実。黒4子の根拠がまだ出来ていないから?
【白36】囲まれた白2子をほおって置いて地を稼ぐのは、危険な手ではなかろうか?最後は、この白2子は黒から切り取られてしまう。白としては、黒に囲まれた白を早くに逃げ出すと、黒を固めてしまうから、と言う理由だったろうか?
【白50】左辺の白群と中央下部の白群とを連絡しようとするが、2間離れているので、あとの進行を見ても、黒から切断されてしまう。下辺中央の黒2子を圧迫しながら少しずつ、左辺と連絡した方が良かったかもしれない?
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