最近トップ棋士の本格的打ち碁集がなく残念でしたが、これは現代の碁を勉強するには最適。 以下お勧めポイントです。
①イセドルさんが休養中に十分時間を取って検討した結果だそうで、内容も深く詳細です。例えば’村正の妖刀 最新型’の解説は通常の定石書よりかなり詳しく実戦譜を元に良い,悪いを明言しています。
②実兄の書いた少年時代のエピソードがちりばめられていて、これが面白いです。彼の人間性がよく解ります。 とかくイセドルというと、『何を考えてるか分からない』などと言われますが、実にユニークで愛すべき子供だったことが解りました。
③AかBか? 着手選択時の”心の揺れ”までも、隠さないで表現されています。
これが実に参考になる。 一般の解説書は囲碁ライターが書いているので、『Aと打ったがBもある』といったありきたりの表現になってしまいます。しかしこれでは真意は解らない。
’何故Aにしたか?!’ ここにその人の実力あるいは”本音”が凝縮されているんです。 碁を打つというのは、各人が’何故そこに打つか?’のという意思決定の積み重ねなわけですから。
全体に”苦心”の跡がうかがえる本だと思います。私は何百冊棋書を読んだかしれませんが、昔の坂田先生や呉先生の打ち碁詳細解説に匹敵するものと確信しました。
コメント
12月30日
12:00
1: -
読んでみたいです。
特に村正定石に興味があります。
以前、小林光一先生の本で勉強したことが
ありますが、ほとんど忘れました。^^;