14歳松本君、最年少で祐徳本因坊戦 優勝
【2013年6月3日 西日本新聞朝刊(佐賀)】
九州・山口・沖縄のアマチュア囲碁棋士ナンバーワンの座を争う第62回祐徳本因坊戦(祐徳稲荷神社、碁聖寛蓮顕彰会、西日本新聞社主催)は6月2日、佐賀県鹿島市の祐徳稲荷神社で一般、中学生、小学生の各部の決勝トーナメントがあり、一般の部で長崎県代表の中学2年松本直太君(14)=長崎県島原市=が初優勝し、大会史上最年少で第62回本因坊の称号を獲得した。
松本君は準決勝で沖縄県代表の渡嘉敷亮さん(34)を破って波に乗り、決勝に進出。前年度本因坊の小野慎吾さん(29)=山口県=を準決勝で下した福岡北部の村岡信也さん(30)=北九州市小倉南区=と対戦した。決勝は黒番の村岡さんがリードした局面から白番の松本君が粘り強く戦い、終盤まで形勢が揺れ動く難しい碁をしのいで中押し勝ちを収めた。
中学生の部では福岡南部の中学2年寺下龍太郎君(13)=福岡県大野城市、小学生の部では福岡北部の小学6年佐々木柊真(しゅうま)君(11)=同県中間市=が優勝した。
▼中学2年生の松本直太君
試合には必ず赤いシャツを着て臨む。囲碁を覚えて間もない5歳のころ、母親の多恵子さん(44)が勝利を願って始めた験担ぎ。“期待の赤い星”は大きく成長し、九州・山口・沖縄のアマ強豪が競う第62回祐徳本因坊戦一般の部で初優勝を飾った。しかも大会史上最年少で。
長崎県島原市の市立第一中学校の2年生。4月に14歳になったばかり。物おじしない果敢な攻めを身上とし、今大会決勝も、劣勢になってもひるまず、激戦を制した。「運が良くて勝たせてもらいました。もっと力をつけて、来年は実力で優勝を目指したい」。物静かだが、勝ち気な性格がのぞく。
通っていた保育園で地元の囲碁指導者の水田正和さん(70)から教わったのがきっかけで、面白さにのめり込んだ。ただ、周りの友だちにも手合わせする相手がいなくなり、父親の直文さん(47)も囲碁に詳しくないため、もっぱらインターネット対局で腕を磨いてきた。学校から帰ると、時に韓国や中国の人にもネット対局を申し込み、毎日3局はこなす。
昨年の第61回祐徳本因坊戦では中学生の部に長崎県代表で出場して4位。今年4月の朝日アマ囲碁名人戦長崎県大会では大人に交じって優勝し、全国大会出場を決めた。アマ八段格の水田さんも「もう私もかないません」と“まな弟子”の成長ぶりに目を細める。将来の夢は?-と尋ねると「プロ棋士を目指してます」ときっぱり。島原市で両親と姉の4人で暮らす。
コメント
06月08日
19:35
1: whiteblackeye
長崎県大会を総ナメ1巡したら、院生入りですかね。
この優勝はでかい!!
06月08日
21:18
2: 長崎美人
大化けしたね。昨年の世界アマから急に強くなった。
今年の朝日はじめ、全国大会が試金石になる。
結果が出せれば、外来という選択肢もあるかもしれない。