近況報告。
アベノミクスで景気は上向いているが、わが社は深刻な経営危機に瀕している。新事業の展開などで収益増を図ってきたが、年間数億円の慢性赤字は解消できそうにない。
いよいよ、伝家の宝刀、本格的なリストラ「人員整理」が始まった。
配置転換により退職する者、退職勧奨を受ける者、割増退職金をもらって退職する者。
特に事務管理部門のリストラは凄まじくここ数カ月で約半数の社員が去ることになった。
私が所属する部署も10人以上いたが、わずか数人しか残っていない。
3人で行っていた業務をまた一人でやることになる。
リストラの波でどの職場も戦場と化している。
去るも地獄、残るも地獄。
涙を浮かべ無念の表情で去る者に、ねぎらいの言葉をかける余裕すらない。明日は我が身、リストラが終わりではなく、始まりということを誰もが知っている。
私にも退職勧告があった。
寝耳に水。自分の耳を疑った。
新事業の立ち上げなど一定の成果をあげ、中枢部門にいたので自分は大丈夫という自負があった。
リストラの前では、過去の実績など何の意味もないことがよくわかった。
辞めるという選択肢もあったが、新事業の業務は麻痺してしまう。
給料は大幅カットという条件で、あと1年間会社に残ることになった。
上京した時に読んだ村上龍の「55歳からのハローライフ」がNHKで土曜日に放映されている。
みんな溜め息をつきながら生きている。
ささやかだけれど、もう一度人生をやり直したい人々の小さな背中に寄り添った、再出発の感動の物語。
55歳から新たな人生が始まる。
上京して1年半、奇跡的に生き延びてきた。戦場で自分のドラマを見届けたいと思っている。
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コメント
07月06日
16:53
1: mikoinrp
頑張って下さい。
07月08日
06:09
2: 銀時(gin_zi)
不謹慎ながら、とても流暢な日本語にウットリしました(´・д・)ノ(ぇ
小説みたいで、好きです(´・д・)ノ
お仕事頑張ってくださいm(_ _)m