八歩

<< 2012年2月 >>

1234
567891011
12131415161718
19202122232425
26272829

八歩さんの日記

(Web全体に公開)

2012年
02月17日
16:36

棋聖戦に思う


日本棋院の関係者には、丁寧にぜひ読んでいただきたいです。

棋聖戦は、「名人戦騒動」の渦中から生まれ、1976年にスタートしました。
当時全盛の林海峰や木谷一門の実力者たちを退け、第1期棋聖戦の最高棋士決定戦トーナメントを勝ち上がったのは、藤沢秀行・橋本宇太郎の両ベテランでした。

決勝七番勝負では藤沢が70歳の橋本を4-1で降し、初代棋聖の座に就いた。
翌1977年の第2期は、四冠を保持する挑戦者・加藤正夫を迎え、藤沢はたちまち1勝3敗に追い込まれる。このカド番・第5局で藤沢は、2時間57分という大長考を払って加藤の大石を全滅させ、気迫の勝利を挙げました。

今も、書棚にありますが、この局面で三時間長考したのだ、と感動しましたが、ヘボアマチュアとしては、3分しか考えることができませんでした。

最終局でも藤沢は半目差で逃げ切り、大逆転での防衛を果たした。
以降藤沢は超一流の挑戦者を迎えるも毎年ことごとく撃退、50代で棋聖戦6連覇を果たした。

しかし1983年の第7期、挑戦者の趙治勲は3連敗から残り4番を連勝して棋聖を奪取、世代交代を果たした(藤沢はこの時期胃ガンが進行していた)。
1986年、3連覇を果たした趙は兄弟子の小林光一を挑戦者に迎えるが、直前に交通事故で両足と左手を骨折する重傷を負う。
不戦敗やむなしとの声もあった中、趙は車椅子で対局に臨み、逆境の中2勝を挙げるが力尽き、小林に棋聖を明け渡した。
以降小林は8連覇を果たし、碁界の第一人者として君臨する。
この間、加藤正夫は3度棋聖に挑み、奪取すれば趙に続くグランドスラム達成となったが、全て小林の壁に阻まれた。

というところまでは、ウイキペディアに書いてあることの受け売りですが、この当時のトッププロは本当に強かったと思います。中国・韓国の棋士が藤沢先生らの薫陶をうけ、鍛錬している時期でした。

いま、チョウウ棋聖に高尾九段が挑戦していますが、彼らを含む日本のトッププロは、中国、韓国だと何段扱いなんだろうか、と不安になります。
本当に九段で通用するなら嬉しいですが、そうでないなら、国際基準に合わせて、七段、八段だってかまわないと思います。

日本の段位は、甘すぎませんか? という疑問を持っています。

最初は、アマチュアの段位の甘さが気になったのですが、最近はプロの段位も甘すぎるんじゃないかと思うのです。

アマチュア低段のお前に何がわかるんだ? という反論に対しては、最近の海外棋戦の結果がすべてです。と答えます。

アマチュアは、プレーヤーとしては三流でも、鑑賞者としてはプレーヤー以上に鑑識眼がある人だっています。

また、日本棋院という組織の経営というものは、経営に才のあるものにしかできません。
プロの経営者を招聘して、囲碁の人気を高めるマーケティングを行うことが必要だと考えています。
批判されたくない、プロとしてのプライドは(国内限定で)持っているという人たちが、アマチュアにお稽古をするだけの、名ばかりの普及活動など自主的にまかせておいて、世界のトッププレーヤーとしての活躍を見たいものです。

野球だって、サッカーだって、日本のプレーヤーが超一流であることを証明して、現在の人気があるわけです。

それとも、いつまでも、家元制にしがみつく?
スポンサーは皆、降りますよ。

過去に、日本棋院理事長殿、として書いたこの手の批判+提言に対して、一度も回答をいただいたことはありません。

今回も、期待してはいませんが、goxi内だけにとどめておくことなく、日本棋院にも送ります。

批判だけに取られるとつらいのですが、日本の活力を取り戻すために、囲碁ファンができることは、日本の囲碁界への叱咤激励ではないかと思っています。
ぃーね! (2) mikoinrp  ひからず晴れ横浜 

コメント

2012年
02月17日
16:58

1: 八歩

日本棋院のHPを調べてみたけれど、ご意見受付というのが見当たらないので、代表電話にかけてみました。

応対の女性はまずまず合格なんですが、電話を転送する途中で、切れてしまうなど、昭和時代のポンコツ会社のオペレーションを思わせます。

装置や機器が古いからといって、それで世界に後れをとってはなりません。

「棋院および日本の囲碁界への苦情や意見は理事長に直接手紙を出してもらいたい」、というので、「以前送ったことがあるが返事はなかったので、棋士としては一流だが、今回も無視される可能性があるので、総務部長などの、普通の人(棋士ではない人)を出してくれ」とおねがいしたら、本日は不在だが月曜日に連絡するとのことでした。

来週早々に、総務部長の木村さんからお電話をいただくことになりましたが、言いたいことはまとまってるから、先にメールで送ろうか?といいましたら、そういうメールは受け付けていないので、総務部長から電話させますということで、どうやら、クレーマー扱いされたような気がしてなりません。

いまどき、お客様対応窓口でメール対応していない組織があるなんて、信じがたいですね。

2012年
02月17日
18:08

2: -

日本の3大タイトルに海外のトップ棋士の参戦させたら、
韓国か中国の棋士に独占されると思う今日この頃。
国際基準での強化が望まれますね。
かつて、日本を見習っていた韓国、中国がトップに立ったのですから、
日本は逆に韓国、中国を見習って、上を目指す育成等をすべきですよね

2012年
02月17日
20:31

3: 春海

 あなたのご意見は、世界のトップに立てる、少なくとも互角に戦える棋士を育てなさい、そのためには段位制度を今より辛く変えなさいということと承りました。日本の段位制度には数百年の歴史があり、時代に合わせて修正されてきましたが、外国との関係によって変えるべきものかどうか、慎重な検討を要する事と考えます。

 また、普及活動については、あなたが名ばかりと指摘される棋士独自の活動も、そこからトップで戦えるプロが生まれる可能性があり、決して名ばかりではないと考えますし、棋院としても継続的に普及活動を行っております。

 確かに現在世界トップの座は中韓に奪われていますが、そういう努力が実を結んで、遠からず奪い返せるものと信じております。なお、棋院の経営については、大竹理事長の任期中であり、発言は控えさせていただきます。

 とにかく、あなたのように熱心な多くのファンに支えられてこそのプロ棋士であり、その団体としての棋院です。貴重なご意見を参考に鋭意努力いたしますので、今後ともご支援をお願いいたしします。 


 というような「官僚的な返答」でないことを祈ります。

2012年
02月17日
22:21

4: JIJIRO

以前からよく言われていることではありますが、世の中は勝敗だけが総てなんでしょうか。私は囲碁や将棋や日本の文化にかかわらず、日本人にしかわからない美学というものがあるように思っております。

例えば、オリンピックの体操競技で、アクロバティックな動きで(たとえルールに則っているとはいえ)高得点を出すことを基準に選ばれた幼いといっていい選手たちによって、高得点を続出させた某国のやり方を、私はいかにも大人気ないと感じる人間であります。そこには大人が醸しだす色気やゆとりといったものが微塵も感じられないからです。

百手先の一目負けを読みきって投了するという、日本人にしかわからない文化というものを大切にしていきたいと考える人だってたくさんいるのではないかと、私は考えております。

2012年
02月17日
23:52

5: 八歩

JIJIRO様

今の日本のプロに100手先の一目負けを読み切るだけの力量がないのではないかと思っているのです。

見損じがおおくありませんか? それって、時間が短いからでしょうか? 呉・坂田、高川、木谷・・・・といった諸先生に見損じがあったとしても、それは高度な見損じであり、その当時の芸を否定するつもりはありません。

世界が、深い読みと新手の研究に没頭しているときに、日本のプロは何をしているんだろうか? 日本という閉ざされた世界で名人ごっこ、棋聖ごっこをしている暇があるのか? と言いたいわけです。

私が日本棋院の経営者ならアジア諸国を中心とするワールドカップを開きます。キリン、トヨタ、NTT、KDDI,シャープなどアジア展開をすすめている企業は数多あります。

そのなかで、日本の代表にも活躍してほしいというのが夢です。

勝負にこだわって勝ちに行きます、といいながら、負けて帰ってきたら、理事長が「二日制ならまだ、日本だ」なんて言ってる集団は一度解散して中国韓国で勉強しなおしてからプロだといってもらいたいです。

あの発言を、黙認しているようでは、プロ失格だと私は思っています。

2012年
02月17日
23:59

6: 八歩

春海さん

そもそも、8段=名人と言われていた時代が藤沢庫之助時代で、当時の精度で九段になるときに、いかがなものか? という議論があったことをきいたことがあります。 日本の段級位には、それほどの歴史はなく、恣意的にきめられてきたからこそ、7番勝負のタイトルを取った人は、失った時自動的に9段になる、なんていう変なルールだって、ごく最近できたことはご承知の通りです。
その九段が、名人・棋聖なのか、棋聖ごっこで勝っただけの、そとでは通用しないのかを知りたいし、日本の棋聖は世界で言うと7段でいいから、そこからスタートしようということを申し上げたいわけです。

つづきは、明後日、お目にかかった時にでも。

2012年
02月18日
00:03

7: 八歩

モノクロさん

私のこういう発言が、一部のプロの発奮材料になれば、幸いだと思っています。どっちみち、このままでは、新聞棋戦はなくなるし、週刊碁も売れなくなるわけですから、食えるようになりたければ、勝て、勝つためには芸をみがけ、としか言いようがないです。

その時に、邪魔というか、微温の源泉がどうやら日本棋院のような気がしてなりません。公益法人の看板を下ろして、株式会社にしたほうがよっぽど活性化すると思います。

2012年
05月03日
09:08

8: 八歩

5月3日現在、正式の住所氏名を出して、送ったメールは無回答となりました。もう、これで、無視は三度目・・・・・あきらめました。

棋譜作成
: