第7期十段戦五番勝負第3局(産経)
白 十段 坂田栄男
第7期十段戦五番勝負第3局(産経)
白 十段 坂田栄男
黒 九段 藤沢秀行(コミ5目半)
昭和43年12月12・13日 東京「駿台荘」持ち時間各9時間
注)「駿台荘」は、旅館で、次のサイトに紹介されている。
「KANDAアーカイブ」
KANDA仮想現実図書館23 「神田の高さ、そして南極」中西隆紀氏
第1譜(1-100)
【白12】黒11と這われたのに、それを放置して大場に向かった。何故か。白6を攻められたら、上辺中央に白石を置いて白8と連携しようと言う腹積り?
【黒13】小生ならば、必ず黒3、9の2子を補強する。が、白の包囲が右は白8と一子だけ、また、白2,10も大ケイマで薄いのを考えて、白2,10を攻めることにしたのだろう。ちょっと冒険のような気がするが。
【黒15】薄い白に攻勢を掛けた。
【黒19】大ケイマの弱点を突いた。
【白60】左辺の黒群の目を奪う手ではあるが、まだ序盤だからここまで詰めなくても、と思う。
【黒65】上辺左の黒群は、白から攻められたら目が殆ど無くなる様だが、白62,64の2子を召し取れば勿論生きることが出来る。そういう背景で、この黒65の切りが出来るのだろう?白は、この2子を取られないように逃げていく。盤面の4分の一と言う狭い所に、白は4群にも分かれて闘っている。そして、結局は白が勝ってしまうのだから奇妙なものだ。このような綱渡りの戦いは、プロ高段者だから出来ることで、我々アマチアではこんな芸当は出来ない。石を出来るだけつなげて安全な戦いをしなければならない。大体、1時間前後でぱちぱちと打っているのだから、綱渡りは出来るわけが無い。
【白66】白66とまず守り、次に白68で黒を攻めようというところは凄い。
【黒69】白68と攻められているのに、この切断を行うとは全くもって理解に苦しむ。が、その後の進行を見ると、黒73まででは楽に逃げ出した。黒71の覗きが有効だったのだろう。この手があるから逃げ出せた。
【白76】小生から見ると、上辺左の白群は、風前の灯のような気がするが。後の経過を見ると、ちゃんと生きている。凄い。
【白80】この手で、白2眼が見えてきた。が、断点も多く油断できない。そして、最終的には、中央左の白群とつなげてしまった。黒69は如何にも取られそうな形勢である。
【黒81】右辺右の白群を欠け目として眼形を奪う。欠け目には十分注意が必要。小生も、欠け目を気付かずに大石を取られたことが何度もある。
【黒85】上辺右の白群が逃げてしまったので、上辺左の黒群は2眼を作らなければならない。この手で2眼が確保できた。上辺中央の1眼と、白38か又は白32の所。
【白86】白群は、追われる立場から今度は攻める立場へ変身した。
【黒87】白86の攻めを見ても、黒は中央上部の白群の攻めを敢行する。しかし、後の進行を見ると、黒79が無理手だったような気がする。黒79の右の断点が白を封鎖するのにネックとなった。2目の頭は見ずにハネよと言うが、この場合には当てはまらない。
【白90】白群が黒の断点を利用して中央突破した。これで、結果として攻めようとした黒87が無理な手であったということになる。中央左の白群と中央の白群とが繋がる可能性が見えてきた。中央右の黒群は生きることが大変になった。
【白94】黒が中央右の黒群を逃げるのに手一杯な間に、中央の黒2子を取り込む形が出来た。
【黒95】白が3子を1間飛びでつなげている。このような3子のつながりは差し込まれ切断されてしまう。が、この場合には、この後の動きを見てみると、右辺のスペースが大きく、切断された白が余裕を持って動くことができた。
【白100】この手は高等戦術だと思う。小生のレベルなら、コウ立てに打つ手。
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