aFOXaさんの日記

(Web全体に公開)

2015年
06月26日
21:02

分からないから面白いことも?

タグ : 将棋,囲碁普及
さっきニコニコ動画を観てきたんですが、ふと「分からないから面白いこともあるのか?」と思いました。
見てきたのは将棋の動画で、もう2ヶ月くらい前に終わった『電王戦FINAL』の最終局の解説です。

将棋の阿久津主税八段が「AWAKE」という将棋ソフトにハメ手を使って勝ったのが話題になった一局で、ヤフーのニュース記事で読んで「へ~、そうゆう一局だったの」と思ったもんです。
僕が今日改めてその動画を観ようと思ったのは、電王戦の観客の中には将棋のことをほとんど知らない人もいたんじゃないかとふと思ったのがきっかけでした。
会場に行った人や、ネットで観た人、記事で読んだ人たちの中には将棋経験が浅い、または皆無って人もそれなりにいたんじゃないか?
(実際に何人いたか、多かったのか少なかったのかは知らないし、分からないんですけど。)
これってすごいことじゃないかって思いました。
囲碁で似たようなイベントをやったとして、この将棋電王戦と同じくらいに囲碁の経験が浅い(または皆無って)人を引き付けられるだろうか、って。

僕は将棋についてはあまり知りません。
子供の頃に何度か指したことがある程度で、今じゃルールについての基本的な知識も覚えてないです。
(さすがに王を取ったら勝ちとかは分かるけど、駒が裏返って‘成った’らどういう動きになるかなどの細かい知識は完全忘却しました。)
でも解説を観てると、将棋の内容以外であれば分かることって結構あるんですよね。

解説者の表情や言葉選び、出されたおやつがおいかったとか(笑)、上の一局でいうと「なぜハメ手を指したのか」という心理の推察部分とか。
たとえば阿久津八段がハメ手を指した理由については、
・勝ちにこだわった
・団体戦の主将戦だから責任があった
・将棋ソフトが強いために、勝てる可能性の高い手を選んだ
・相手に弱点があるならそれを突くのは勝負の基本だから、将棋ソフトが苦手なハメ手を指すのは勝負として当然ではある
などの解説があって、将棋を指さない僕でもフムフムでした。
将棋の細かい内容についての説明は全く分からないけど、それ以外については分かる。
もう90%以上は分かる。
で、分かる気分になってくると、盤上の勝負を見てもなんか分かるような気がしてくる(笑)

当然ながら僕が盤を見て分かるような気がしてくるのは完全なる錯覚なんだけど、「これって大きい部分だよな」って思ったんです。
サッカー中継とかオリンピック中継とかでも、本当は素人には全然分からん内容のはずなんだけど、観ててなんだか分かるような感じってありません?
あの感覚ですね。
将棋は囲碁と同じくらい難しいゲームなんだろうけど、「素人の自分にも少しは分かるかも?」って感覚がするって部分は大きい。
果たして碁の解説を見てても同じ感覚が味わえるかって考えると、碁のルールを知らない人にはもう全然分からん感じでダメなんじゃないかと。
碁盤も広くて、ひと目であっちの端とこっちの端を同時に認識するのは無理だし、そこに白黒の碁石がバーッと並んでるわけで。
そして、そもそも石の意味が分からない。
将棋と違ってどうやったら相手の石を取れるか分からない・・・という以前に相手の石を取るゲームかどうかさえ、碁のルールを知らない人には分からんです。
これって将棋との大きな違いで、将棋なら「今相手の角を取ったな」とか見てて思うこと・分かることはある。
あくまで初歩的な初歩を分かってるに過ぎないんだけど、視覚的に分かるってのは大きいし、『電王戦』において普段将棋を指さない人を観客の一部として取り込めた理由の一つも、それだったんじゃないかって思うんです。

・・・・・ (*ヘ*;) ウ~ン

なんかダラダラ話してたら日記のタイトルの「分からないから面白いことも?」って部分にどう辿り着くのか分からなくなってきた~。

タイトルの結論に簡潔に漕ぎつけると、僕は将棋の電王戦を見てて「分からないから」頭の中で想像することができて、それが面白かったんですよ。
たとえば、
「このよー分からんくて難しい将棋に、もしも『ヒカルの碁』の主人公みたいな活きのいいのが現れて、羽生さんに挑んでくるとかあったら、ストーリー性があって面白くない?」
とか。
基本的なことを知らんから細かい部分にあれこれ思い至らずに済んで、ダイナミックで面白い部分だけを好き勝手に想像(妄想)できちゃうわけです。

『ヒカルの碁』の作者のほったゆみさんもたしか囲碁の棋力は10級くらいだったような記憶が。
僕にとっての将棋と同じで、深いとこが分からないからむしろ発想がフリーになって面白いこと考えられるって感じだったんじゃないかな?

<(_ _)> ほったさん、失礼してます

そういや僕も、5~10級くらいの時に「プロのタイトル取りたいな」なんて密かに超妄想をしてたな(笑)
さすがにあの後はしなくなったけど
(≧∇≦)

ってことで、最後に1つ提案があります。
碁のルールを知らない人に「碁の世界ってどんな感じだと面白い?」って意見を聞いて、できるだけ取り入れてくってのはどうでしょう?
その方がキャッチーな囲碁(界)を作っていけるかもしれない。
ある意味、その究極的な結実の1つが『ヒカルの碁』であったと見なせるんじゃないかと思うし。

今回の話は「囲碁普及を考える 2回目 後編」でキーポイントとした、
「娯楽では『分かりやすい魅力』が強みとなること。」
ってこととも関係があったんじゃないかと思います。


長文読んでくれてどうもでしたー
ヾ(^∇^)
ぃーね!

コメント

2015年
06月27日
08:30

1: -

佐為に憧れて”ヒカルの碁”というものを好きになった人たちがいました。
そのサイトにきているほとんどの方は囲碁自体には興味がなく、
ほんの一部の人に掲示板はあらされましたが、
それ以外の人は間違いなく囲碁の世界の入り口に立っていたはずなんです。


梅沢さん(現在は吉原さん)が車のCMに出た頃のように、
メディアというものを使ってもっと情報発信をすべきなのだと思います。。

2015年
06月27日
19:07

2: aFOXa

あまのじゃくさん、コメントどうもです。

>佐為に憧れて”ヒカルの碁”というものを好きになった人たちがいました。
・・・
(彼ら)は間違いなく囲碁の世界の入り口に立っていたはずなんです。

そーですよね。
とりあえず入り口に立ってもらえるだけでも大きい。
実際に碁を打ってもらえるかはともかく、子供が「サッカーやりたい」、「野球やりたい」って言うところに囲碁が少しでも食い込んでいけたら十分うまくいってるんじゃないかと思います。
(大人への普及も同じく大事なポイントですが。)

囲碁をいかにプラスのイメージで一般に浸透されられるかっていうイメージ戦略は、考えてみたら囲碁の普及で一番重要な急所かもですね。

棋譜作成
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