岡部倫太郎さんの日記

(Web全体に公開)

2016年
03月06日
23:43

おだっち「俺はエ○くなりたいんじゃねぇ!シャ・カイジンオーになりたいんだ!」


「俺の財宝か?
 欲しけりゃくれてやる。
 探せ!!!
 この世の全てをそこに置いてきた!」



『世は正に代謝怪人時代!!!』









バルトロメオ
「先輩のいうことは時々よくわからねぇべ。
 ガキの頃に見たこれのことだべ?」







今更ですが、麦わらの一味のプロフィールをまとめてみました。



『職業:自称海賊
 目的:ルフィを海賊王にすること、ワンピースを手に入れる事』



散々、作中でも言われている事ですし、この点は誰も異論ないでしょう。


そこで、もし、仮に、
この一団に必要無い人を一人船から降ろすとしたら、誰になるか?

二つの観点から考えられ、全く逆の答えが浮かび上がってきます。




・一つ目
職業を軸に考えた場合。
(主に海の上での職務上、どれだけ役に立つかで決まります。)



1位:チョッパー(医者)

病気や怪我なんて、いつどこでするかわからず、海の上では必須。
陸上でもまともな医者がいない島なんてこの世界にはいくらでもあります。

最近でも、シーザー作製の毒ガスから一国の住民を救い英雄扱い。

海賊でなくとも、どんな職業や会社でもやっていけます。


2位:ナミ(航海士)

海の上ならば、どこに進もうとも、何処かには辿り着きます。

とはいえ、この世界の海は危険がいっぱい、
安全な航路を外れると、命がいくつあっても足りません。

人間よりも海の上では遥かに生存能力の高い、魚人族のアーロンですら、
手飴と鞭を使い分けながら、ナミを自分の手元に置いて置こうとしていました。


3位:サンジ(コック)

毎日、必ず、必要となる役割ですから、当然、この位は評価されます。

とはいえ、子どもの頃のサンジがそうであったように、
1ヶ月位なら、食べなくても生きていけますから、
短期間で陸に上がる航路を選ぶならば、上2つよりは必要性は薄れます。

戦闘面でも、一味で3番目の実力。女性相手だと闘えないけど。


4位:フランキー(船大工)

体が大きく大雑把で小回りが利かず、潜入活動も多いのにやたら目立つ。

もっぱらネタキャラと化していますが、
どれだけ頑丈な船を用意しても、何かの拍子で不具合が出ることはあるため
一年のほとんどは不必要でも、いざという時の事を考えると馬鹿に出来ません。

コーラは体にもいいらしいしね!(メリケン曰く)


5位:ロビン(考古学者)

この人も普段はほとんど何もしてないけど、
お尋ね者として世界中を回っている経験、親譲りの豊富な知識、

目的地を決める際には、ご意見番として置いておきたい所。


6位:ウソップ(狙撃手)

今のところ、航海中に人間と戦闘になることがほとんどないため、
どの程度、仕事する機会があるのか定かではないため、
この順位に落ち着きました。

陸の上では活躍する機会が絞られますが、
海の上では船から動けないという縛りがあるため、
遠距離の相手に干渉できるのは便利です。

最近では、シーザーという毒ガスの能力者も出てきてますし、
砲撃を受けた際にも、とにかく、打ち落とせば良いわけではないです。
一味は無事でも船に被害が出ては元も子もない。

ドレスローザの決戦では見聞色の覇気も使えるようになり、
手を出したらまずい物の見極めも可能になったため、
船の上での戦闘では一番役に立つかもしれません。


7位:ブルック(音楽家)

人は仕事をするために生きるわけではなく、
生活を楽しむために必要なら、仕事するに過ぎません。

荷物になるので本やゲームとかをあまり持込むわけにはいきません。

どれだけの長旅になるかもわかりませんから、
個人の好みに合わせて即興で調整出来る、聞けば聞くほど味が出る音楽は、
ストレスケアやモチベ維持に役立ちます。


8位:ゾロ(剣士)

頭はルフィと同じ位悪いけども、修行ばっかしてるので体力に関しては一番。
きつい仕事程、体が資本ですから、安定して活動できる人材は頼りになる。

フランキーやルフィと違い、泳げるしね。

男連中は普段は船上で宴会ばかりしてるので、
下戸であり、体鍛えるために見張り番してるゾロがいると安心できます。


9位:ルフィ(船長)

一応、船長ですが、一言で言えば極潰しのニート。

「海賊」なのに、一般人や他の海賊から宝を奪う指示は出さず、
能力者のため泳ぐ事が出来ず、海の上での戦闘ではゾロに劣る。

頭だって悪いし、ゾロ程では無いにせよ方向音痴。

「海賊王」になるという目的上、海賊をやっているだけであり、
仕事に対するプロ意識なんていうのは皆無です。

少なくとも、「海賊」という職業で評価するならば、論外。
旅先で仲良くなった一般人も、ルフィを海賊として評価してません。






・・・とまあ、ぶっちぎりで、船長のルフィが戦力外通告うけるレベルです。

ただ、会社の社長というのは、どこでもそういうものです。

社長というのは、日常の雑務なんぞをやるべきではない。
経営者の仕事は、会社の長期的な目標を達成するための舵取りです。

麦わらの一味の目的はワンピースを手に入れることであり、
そのために海賊になったに過ぎません。
(ブルックやナミは元々海賊ですが、他の船で別の目的のために働いてた)

ルフィを海賊王にするというのも、目的上、当然必要な処置です。

ルフィは、頭は悪いし、行き当たりばったりですが、
「ワンピースを手に入れる」
という目的を達成することに関してだけは、他の誰よりも適正がある、
そう、判断しているからこそ、一味はルフィを船長に据えて活動してる。







実際、元海賊王のロジャーが処刑された場所で、自分も捕まり処刑される時、

「我が人生に一辺の悔い無し!」

というかの如く、最後の瞬間を迎える時に笑っていたように、
誰よりも揺ぎ無い意思を持っているからこそ、
海賊王になれる器だと皆が認めているわけです。

この街でちんけなマフィアをやってたバルトロメオも、
一連の光景を見ただけで自分も海賊になった位ですから、
ルフィに世話になり、共に苦難を乗り越えた、麦わらの一味が、
麦わら海賊団として活動してるのも何の不思議も無い。



「ワンピースでビジネスを学ぶ」みたいな趣旨の本が巷にあふれていますが、

終身雇用制度が崩れてきて、会社に骨を埋めるという考えは薄くなり、
若者は直に会社を辞めるのが珍しくないし、
起業して人を雇ってるところも、短期的に利益を追い直に潰れるのが大半、
そんな中で、ルフィのような筋の通った生き方は参考になる、

そう、多くの人が考えるからこそ、
他にもたくさん癖のある名作漫画はあるものの、
いい年したおっさんの社会人の間でワンピースは公然と勧め易く、
これだけ圧倒的な発行部数になるに至った、というのが事実に近いと思います。


慰安婦問題もそうですけど、
偉い人にとってのプロパガンダに使えるものは流行りやすいんですね。




確かに、これらの主張は間違ってはいません。


ただ、実際には、ルフィという人間はもうすこし複雑でわかりにくいです。

其の点をちゃんと踏まえて考えないと、肝心な部分を見逃す事になる。
間違い探しは中途半端にせずに続けないと。



というわけで、ここからが本題。

・・・ルフィは勇者タイプでしょうか?
それとも、魔王タイプでしょうか?


30秒、考えてみてから続きをどうぞ。











言うまでもないですが、勿論、魔王タイプです。

海賊王になるっていってるわけですから、一目瞭然です。

ルフィは海に出た時は17歳の若者だったとはいえ、
ワンピースを手に入れるには、何十年かかるかわからないことを思えば、
迷っている暇なんて一切ありません。

迷わず進み続けられる、天然の魔王気質でないと、到底、無理。


ここまでは、特に問題はない。

問題は、ルフィは最強クラスの魔王として生きることを決めているのに、
勇者タイプとしての役割もある程度は果たしたいと考えていることにあります。

これが、彼の人物像をわかりにくくしているし、
ルフィと直に付き合ってきたわけではなく、
憧れの対象として見ていただけのバルトロメオを戸惑わせたりもする。


とにかく、ルフィが辿ってきた道程を振り返って、それを考えていきます。








まず、ルフィ達、新世代が出てくる前の、形勢判断から始めるとします。

ロジャーの宣言以降、海の上に多数の海賊が現れ、
初めは各自が好き勝手に暴れてたものの、
次第に勢力図が出来ていき、統制が取れてきます。

海軍側には海賊でありながら海軍の味方をする王下七武海が付き、
それに対する勢力として、四皇が率いる大海賊団が存在する。


旧四皇の面々は、

・白ひげ

若い頃はロジャーと互角。最強の海賊と言われていた。

所謂、仁義を通すヤクザで、そこらのチンピラ海賊をまとめあげる。
一般人の支持者も多く、やり方が海軍に一番近い。
「弱者」を守ることに重点が置かれてる。

海軍が腐敗してるため、白ひげに統治させた方がいいと考える人は多そう。

エースのことは諦めて、海軍のホームで全面戦争なんてしていなければ、
この先もしばらくの間は、他の四皇を抑えて世界の海を牛耳っていたはず。


・カイドウ

世界最強の生物。単純な戦闘力だけなら文句無しにナンバーワン。
メンバーも似たような脳筋が多いと思われる。
何か特定の目的があって行動してるのは不明。


・ビッグ・マム

暴君女帝。

食べる事が大好きな強欲な人間で、傘下の海賊にも容赦はしない。

こいつの下に喜んでついてる奴がどの位いるのか?

白ひげ亡き後、好き勝手やるようになった。





・赤ひげ

ルフィの目標。七武海のミホークと互角の剣士。
唯一人、黒ひげの危険性を見抜いており、人を見る目はずば抜けている。

若い頃の勢いそのままに、組織を、家族を大きくしすぎた上に、
犠牲を受け入れることが出来ずに隙を見せた白ひげ以上のリアリスト。

物事の優先順位をよくわかっており、
山賊にからかわれた際も、黙って笑っていた。

家族に裏切られる事が度々ある白ひげとは違い、
組織の管理に関しては四皇の中でも最も完成されてると思われる。

実際、ラッキー・ルウがシャンクスの指示無しに行動起こしてるのを見ても、
シャンクスの考えを皆がよく理解しており、仮にシャンクス抜きでも、
作中で最も頭が切れる、海軍大将黄猿と互角の副長、ベン・ベックマンの元、
隊ごとに各自の判断で動き、連携の取れた戦闘の中、目標達成すると予想。

指示待ち人間の多い他の四皇の一団よりも生存率は抜群に高そう。


新四皇

・黒ひげ

インペルダウンで初対面の凶悪な囚人を幹部としたように、
ルフィ以上に、いきあたりばったりで運任せ。

仲間であろうが敵であろうが、
必要とあらば平気で殺して次の瞬間には忘れてそうなタイプ。

それだけに先を読むことが難しく、シャンクスは黒ひげを危険視した。




白ひげが死んだ後は、代わりに黒ひげが四皇と呼ばれるようになりました。
積極的に統治しようとした白ひげのような人がいないため、
いまだにパワーバランスは取れておらず、新人が下克上する余地がある。


それはいいとして、ルフィにとっての海賊像とはシャンクス達であり、
当然、ルフィの生き方や考え方も、シャンクスに近いものとなります。

ただし、まったく同じというわけではない。

幾ら似せようとしたところで、
親は親、子は子、少しは違いが出てくるものです。

シャンクスは規模はそれ程ではないものの、
あれだけ完成された組織を作り上げながら、
表立って行動する事は少なく、のんびりと暮らしてる反面、
ルフィは最初から海賊王を目指しており、
その前に立ちふさがるならば、シャンクスでもぶっ飛ばすと公言してる。

シャンクスは、ルフィが自分を完全に越えて世の中を変える存在に為りうる、
そう見抜いて、幼少期のルフィを片腕を犠牲にしながらも守りました。



結論としては、
ルフィは「海賊王」という魔王タイプの極地の生き方を達成しつつ、
シャンクスのように、自分の身内に関しては絶対に守る程度には、
勇者タイプの生き方も平行してやり遂げてみせる、
そして、それが出来るだけの器を持つと信じたからこそ、
シャンクスは片腕を犠牲にしてでも助けたし、
麦わらの一味はルフィを船長として後ろをついてきてます。

普通は無茶が過ぎるし、傲慢が過ぎるのですが、
だからこそ、少年漫画の、それも冒険漫画の主人公を張れるというものです。




ワンピースといえば、「仲間」だとか「絆」みたいのが強調されてますから、
ルフィは生まれつきの魔王タイプだと言われて驚く人もいるかもしれません。

ルフィの本質は覇王色の覇気を持つ、容赦の無い「魔王」タイプであり、
勇者タイプとしての生き方や考えは、あくまでも添え物でしかない。

そこで、次は、これについて証明していこうと思います。






まず、ルフィはたった一人で冒険を始めました。

シャンクスですら、ロジャーの船で見習いから始めたのに、
ルフィは17歳で一人で海に出た。
正に魔王!


そして、一番、最初に仲間にしたのが、「海賊狩り」のゾロでした。

・・・・普通に考えたらありえないです。

海賊を敵として生きてきた上に、
たった一人で海賊を名乗る年下のガキの下につくなんて考えられない。

ゾロ自身が、生活全てを剣に捧げた、一匹狼の魔王タイプですし。

そして、其の時は、勇者タイプとしての行動は特にしていません。
(余裕で倒せる格下のザコ海軍少将をぶっ飛ばしただけ)

ゾロが仲間になった理由は、
ルフィが自分以上の魔王タイプの資質を持っていると感じたからであり、
共に旅をすれば、自分ももっと強くなれると思ったからに他なりません。





次に仲間にしたのはウソップです。


ここで注目すべきポイントは、

「人間というのは、三人集まれば派閥が出来る」

という点です。


誰しも、経験あるとは思うのですが、
学校や会社で、2つ以上のグループや派閥があったら、
自分はどちらに入るべきか迷うはずです。

とりわけ、メンバー間で意見をぶつけあうことが難しい状況程そうです。

たった三人しかいないのに、二人対一人に分かれたとしたら、
自分が一人の側なら、居心地が悪く、窮屈な思いをするはめになりますし、
二人の側に入ったら入ったで、
少数派とちょっとしたことでぶつかりあうのも、
同じグループのもう一人に迷惑をかけるのでなないかと不安になる。

どちらにしても、面倒な事はあります。


まして、口ではでかい事を言うものの、本当は小心者で糞弱いウソップです。

そんな彼が、たった二人しかいない弱小海賊団に入ることが出来るのか?

其の上、派閥を作る中で、もっとも重要とも言える、三人目のメンバーです。

幾ら田舎でくすぶっていて、現実を変えたいと思ってる17歳の若者とはいえ、
自分が其の立場だったらと考えてみて下さい。


僕は、たまたま、その時にいたメンバーが、ルフィとゾロだったから、
ウソップは物凄く迷いながらも、旅に出る決意をしたと考えています。

片や海賊王、片や世界最強の剣豪を目指す、ぶっちぎりの魔王タイプ。
他人が何を言おうと一々気にしません。

そして、
ルフィはシャンクスレベルには勇者タイプとして生きてく覚悟が出来てる。



そんな二人だからこそ、余計な気を使わずに、
よわっちい新人として思い切って入っていけたのではないか?

そう考えているんです。




四人目以降については、さらっと流しますが、
サンジは上司や同僚の後押しもあってのことですし、
ナミは返しきれない位の恩がルフィ達にある、
それらのことも合わさって、一味に加わっても不思議ではありません。

ただし、あくまでも、
皆、ルフィの魔王としての資質に引かれたからこそ、仲間になった、
この点だけは強調しておきます。

魔王は必要とあらば、自分の身内ですら容赦なく切り捨てます。

ウソップが自分の村から持ってきたメリー号可愛さにルフィと敵対した際も、
同じ魔王タイプのゾロはウソップをボロクソに批判していましたし、
他のメンバーも多少はウソップの肩を持ちはするものの、黙って決闘を見守り、
結果としてウソップが船を降りることになったのも受け入れました。

こういうことはままあります。

たとえ、骨を埋めるつもりで入った会社であっても、
家族が危篤状態の時は、仕事を放り出す事はありえる。
ウソップを無理やり引き止めるなら人権侵害になりそうですが、
降りるかどうかの選択肢を与えてるわけですし、
会社としては、これ以上の妥協点は無いというものです。
(江戸時代の碁打ちは、家族の死に目に会えないと言いましたが、
現代はそんな厳しくは無い)


「船長であるルフィが決めた事だから」


あくまでも、ワンピースを手に入れることが目的で集まったメンバーです。
どれだけ仲が良くて、信頼しあっていても、あくまでも仕事を通した仲間です。

会社が存続してこその会社仲間であり、優先すべきは会社です。

仲間が会社を捨ててでも、他の事を優先するというのならば、
それを尊重して袂を分かつのも受け入れる必要があるのは理解していたはず。

だからこそ、ウソップを切り捨てた。


ただし、メンバーの意思を無視したリストラについてはそうはいかない。
そういうことにならないように尽力します。
(これは、シャンクスレベルの勇者タイプの生き方に起因します。)

ニコ・ロビンが連れ去られた時は、海軍に目付けられるのは理解した上で、
迷わず、ルフィはメンバーを巻き込んで命がけで助けに行きます。

これについても、仲間は勇者タイプとしてのルフィもわかっているからこそ、
黙って従っていると考えられます。

そして、その際に、一度は一味を抜けたウソップが助けにきたのを受け入れて、
ロビンを助けた後は、ウソップも一味に再び引き入れていました。








と、ここまで話せば、
ルフィが魔王タイプでありながら、
身内だけは絶対に助ける程度には勇者タイプ、
という、複雑な人物像にしている理由がわかってきたかと思います。

多くの一般人も味方に引き入れてはいますが、
身内以外はどれだけ死んでも迷わない、目的のために突き進む。

(社員が苦しもうが何とも思わない社長ですら、
 会社のためならお客様は神様とか平気で言いますし、
 魔王タイプが赤の他人にいい顔したり助けるのは変ではないです。

 会社の利益のために人を助ける、普通に合理的です。)


ルフィは、一見、ものすっごい軽いノリで仲間になろうとか言ってますが、
むやみやたらに仲間を増やしたりはしません。

白ひげのような甘さは無い。

会社に入る際に、凄い長い契約書とかで説明しない代わりに、
シャンクス譲りの観察眼で、人をよく見て、
仲間にするべきかどうかを決めてるように見えます。

そして、それが間違っていないのは、
いまだに仲間が離れていないのを見ればわかります。


これが麦わらの一味が決めた生き方です。


冒険を始めた時から、ルフィの考え方に変わりは無く、
最初から「海賊王」に足る人物だった。

実力は伸び続けていますが、肝心要の気持ちの部分ではほぼ完成されてた。
それ位でなければ、海賊王を目指しながら、仲間はきちんと守る、
そんな傲慢で強欲な生き方はとても達成出来ないからです。








頂上決戦の時には、会社を後回しにしてでも、
自分の個人的な我がままでエースを救出しようとしたのに失敗しました。

よりにもよって、助けようとしたエースが自分をかばったことで死んだ。

今まで、一度だって、迷わず、前進し続けたルフィでしたが、
その後、しばらくの間、みっともなく泣き喚いて暮らしてました。



何故、この時は、ルフィはここまで落ち込み立ち止まったのか?

ルフィはこう考えていたと思われます。




自分は、魔王タイプを極限まで極めた先にある、
「海賊王」
になるという目標は達成しつつ、
其の間、身内だけは絶対に守るという目的も叶えることが出来る、
そう考えていた。

ところが、エースを死なせて、
自分の考えは間違っていたのかと初めて考えた。
(これは兄のエースや祖父のガープも似たようなものです。
 やっぱり家族だからか、どっか似たもの同士でバカなとこがある。
 兄や祖父の生き方も否定されたような心境だったのかもしれません。)


前にも言いましたが、
普通の人は、魔王として生きていくか、勇者として生きていくか、
どちらかをきちっと決めるべきだと言いました。

よほどの資質があっても、両方を高いレベルで達成するのは無謀だからです。
本人が苦しむ事になるし、周囲の人にも迷惑をかけることになる。



ルフィは主目的である、魔王として海賊王を目指す過程で、
自分が死んでしまうこと自体は気にしませんでした。

ですが、仲間を守れなかったのは、何故、こうも気に病むのか?

それは、自分の我が侭でやっていることだとわかっているからです。



普通の会社の社長というのは、本来、現場での雑務は自分ではやりません。
利益を上げないといけない、
魔王である社長の仕事はそんなことではないからです。

ですが、ルフィは、積極的に最前線でボスキャラと戦っています。
社長が死んだら全て終わりなのに、命がけで毎回闘ってる。
(クロコダイル戦からは、がちで死んでてもおかしくない)

その理由は、自分自身がそれ位無茶をしないと、
魔王としての目的と、勇者としての目的、
それらの両立が出来ないと感じてるからです。

限界以上の何かを得るには相応の代償を払わないといけない。

それがルフィにとっては自分の命の危険だった。

其のやり方でずっとやってきたわけですが、
頂上決戦ではそれが通用しなかった。



「何が海賊王だっ!俺は弱いっ!!!」


だから、
自分の考えが間違っていたのでは?と考えたわけです。

共に海賊王を目指しておきながら、
親父と慕った白ひげをバカにされて逆上して死に向かったエースも同様です。


分をわきまえて、グレードを下げた目標設定をするか、
魔王か勇者、どちらかに絞る必要がある、そう考えていたのかもしれません。



でも、それは違った。

実力が足りないというならつければいい。


自分だけがどれだけ無茶をしてもダメならば、
仲間に頼って、仲間にも無茶をしてもらえばいい。

自分の無茶にそこまで付き合ってくれる仲間がいるのなら、
自分の考えは決して間違っていたとは言えないし、
それで自分の目標を達成することが出来たら、
エースやガープの生き方が間違っていないというのを証明する事にもなる、
だから、決して、諦めない。




そう、考えを改めたのだと思います。

麦わらの一味が、各自、バラバラに修行した二年間はそのためのものです。

たった二年間、皆が共に無茶をすれば、
傲慢にしか思えない目標も夢ではなくなる。

それが間違っているかどうかはまだ証明されていないわけですが。





僕は、別に、これは逆の配分であっても同じだと思います。

主目的が勇者タイプで、ついでに魔王タイプとしても成功しよう、
そのような考えを持っている日本人はいると思う。

そして、「海賊王」のような、
世界で一人しか達成できないようなものでなければ、
普通の凡人が目指す程度の範囲なら、両立は可能だと思う。

実際に、誰もが成功者と評価する人は、
大概、その両方とも手に入れてる。

両方、手に入れるか、両方とも中途半端か。
現実には、そのどちらかに分かれてるのが珍しくないです。
(組織を作る以上、魔王タイプも多かれ少なかれ守る羽目になるし、
 客商売をする以上、勇者タイプも魔王の仕事も必要になる。
 どちらを優先して、どんな配分にするかは決める必要はあるけど)





次回は、現実世界にあてはめて、そのことを考えていきます。
ぃーね! (2) matsuryu916  pin7xp 

コメント

2016年
03月07日
01:03

はあ…
すごい分析されてますね

2016年
03月07日
01:49

なんでワンピースの話なのにライジンオーの動画が混ざってるんですか?

2016年
03月07日
18:34

>matsuryuさん

分析、、とはいっても・・・

人は自分を映す鏡というように、
思いっきり、僕の主観が入ってまする。

僕は自分の話の流れ上、
ルフィを自分の都合のいいように扱ってます。

酷いヤツです、まったく。
(二次元のキャラを使ってるのはせめてもの良心のあらわれ)


>やずろーさん

そこに注目するとはセンスが良い!
というか、僕の目論見どおり!

ここまでの話全てに言える事ですが、
僕は全部計算した上で、一記事、一記事書いてます。
(時間がかかるのはそのためです)

ルフィの心情をこんな風に話したことに関しては、
次の次に繋げる予定ですし、
ライジンオーを最初に例に出した理由は、
次の記事を読めば一目瞭然で気付くようにしてあります。

棋譜作成
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