平塚寅彦さんの日記

(Web全体に公開)

2012年
03月31日
17:44

張棋聖の棋譜より(3)


張棋聖(当時)と片岡聡九段の対局の第3譜です。(101-150)
対局者は夫々の着手について裏打ちとなる読みがあるが、小生の場合にはこの読みはレベルが相当低い。従って、着手が最善かどうかの判断は付きづらい。

【黒101】白6を取り込むか又は右上隅の黒群の根拠を確保する手。振り返ると、白は布石で打った白6の石を活用できなかったのは問題だった?白は、早い時期に黒85のところへ打つべきではなかったか?
【白102】右辺の白群は黒101に根拠を奪われたので、中央へ出ざるを得ない。選択肢としてコスミ、ケイマ、右辺黒群の根拠を奪う黒103、もあるが、黒103点は白の地には全く貢献しない。まだ眼形がはっきりしていない右辺中央の黒群を圧迫するためにはこの手。
【黒104】黒の欠陥を覗き、右上隅と直ぐ下の白群とを繋げようという目論見。だが、直ぐ下の白群との距離は遠く又右上隅との繋がりも危うい。黒104の左斜め下の点が、右辺の白群の眼形に寄与すると言う意味で望ましいと思う。黒の形を強くしただけに終わったと思う。

【白106】右上隅の眼形を確かにする手。只、この時点で打つべきだったか、疑問がある。白104と右辺の白群との連携を図る手の方が良いと思う。
【黒107】右上隅と右辺の白群とを分断し、且つ、上辺黒2子と右上隅の黒群とをつなげようとする手。
左辺上部の黒群の地を脅かし、白左辺の地を多少補強する手。
【白110】黒の形を脅かしつつ自陣の補強を図る手。

【白114】右上隅の黒群と右辺黒群とを分断し右辺黒群を不安定化する手。逆にここに黒が打てば右辺の黒はほぼ2眼が確保される。
【黒117】この手で中央に1眼がを目論んだ。右辺に一眼がほぼ出来ているので、右辺の黒はほぼ収まった。但し、黒79の下の白石が来ると、右辺の黒に目が一つしか出来なかった場合、其の目は潰れてしまうので注意が必要。だから、右辺にも2眼を作るのが望ましい。(実戦では、中央部の目はつぶされ、右辺にやっと2眼ができた。)
【白118】黒111下での切断を狙い、黒群の地を崩す手。右辺白群は治まっていないがこの手が先手となる。この手で白118の下に打てば白群への攻めになるが、黒は自分の目を作ることを優先した。勿論、自陣を強化すれば、それ自体が相手への攻撃の根拠となるので、広い意味で攻める手とは言える。

【黒119】ほぼ必然の守りの手。眼形を作りつつ切断を防いでる。
【白120】右上隅の黒と右辺の黒との連携を切断し、白群の頭を中央へ出し、ぽっかりと空いた中央での眼形作りを目指す。
※この段階では、中央部にどちらが地を作るか、右下隅で如何に地を稼ぐかが争点となる。
【黒121】上辺黒3子を右上隅の黒群に繋げてこの3子を収めようと言う手。最終的に白は中央に十数目の地を作った。結果論だが、この黒121は、中央部へ、左辺の黒と接続を目指した方が良かったかも?

【白122】中央へ大きく飛び出したが、周囲は半分以上が黒。しかし、最終的には中央に白地を10目以上作ったのは、現時点の状況からは信じられない。白が良くやった。
【黒123】下辺の白と中央の白とを分断し、黒は左右の弱い石を繋ぐ手。しかし、中央下部は空きが狭く、中央上部の方が広い。黒はこの手で中央上部の方へ着手した方が良かったかも? 右辺中央の黒群は単独で納め、左群は上部の黒群と繋げる、と言うのではどうだろうか?
【白124】上辺の黒を圧迫しながら中央の地を作る第一歩。

【黒125】右上隅の白の目を奪う大きな手だが、後手。この手は中央の黒を補強しつつ中央の空きスペースに進出すべきであった?
【白128】上辺の黒群をじわりと圧迫し、中央に地を作る手。
【黒129】右上隅の白群の目を奪おうと狙う手。

【白130】生きるために必要な手。
【黒131】更に白群の目を奪おうと言う手。
【白132】生きるための段取り。

【黒135】右隅の白の根拠を奪おうとする手。
【黒137】白の薄みを付いた覗き。(最後は、取られてしまうが、捨石として有効だった?
【白140】白が先手で黒群を圧迫するための捨石。

【黒141】白140の左から当てたら白142の圧迫は出来なかった。確かに黒141の方が筋が良いように見えるが、白140の左に当てても問題はなさそうだが?
【白142】先手で黒を圧迫する手。
【白148】いよいよ白が中央を囲う。

【黒149】黒の地を固める手だが、これは中央へ打つべきだったろう。中央へ打って地を稼ぎ、子が地にすることを防ぐ。
【白150】白が中央を地にする手。いつの間にか、中央が白っぽくなってしまった。

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