はずれやまさんの日記

(Web全体に公開)

2012年
07月21日
20:26

Estrela(囲碁Café&Bar)訪問

タグ : エストレラ,Estrela,碁会所,囲碁カフェ,囲碁バー,関西棋院,大熊悠人,円田プロ
紀伊の日高に用があって天王寺に前泊することにした。お目当ては囲碁バー、Estrela。初めてです。現地付近で夕食を済ませてから7時からのワークショップに出るつもりで、少し早めに天満駅に到着。駅から左に行ってすぐ右に曲がる辻角に托鉢僧がたっていたが僕が通っている間はずっと無言だった。天神橋筋商店街という小狭い通りに、立ち飲み、ゲーセンなど、雑多な店が立ち並んで賑っている。

東京駅を出たあたりでは、軽く握り一人前を頬張って、と思い描いていたが、通りの左側のソタレというイタリア料理店のメニューが良さそうで入ってみた。Sotareとも表記しているが変な名前だ。内外装ともレトロ。この雰囲気だけだとケチャップをつかったナポリタンが相応しいが。後で調べたら「くそったれ」というスパゲッティの店の系列だとか。大阪らしい店に入ったとしたもんだ。

前菜にプロシュット・ミスト、メインはシーフードグリルのグリーンソース。それにグラスワイン。オーダーしただけで幸せな気分。給仕の若い女性は給食のおばさんがかぶるような白くて平べったい帽子を被って、たいして客のいない店内を行ったり来たりしている。二つ隣のテーブルの男女は授業の計画表がどうのとか、学校の先生か。

プロシュット・ミストには枇杷の燻製だか煮たのだか、褐色のが細長い皿のうえに5つついてきた。ついてきたというより、ハムよりなんと大きな存在感。こっちが主役だ。梅雨の真只中で、旬のものをいただいたわけか。ミントリーフが添えられて、ハムに1列に挟まれているからハムは6枚。こりゃ多いな、と思ったけど、枇杷の中身の大半は種だから、ちょうど良いくらいだった。

枇杷を切り割って真っ黒い種を分けたり、蝦の身を殻から穿り出したりしているうちに両掌の拇指球のあたりが痛くなってきた。ナイフとフォークが短くてずっと当っている。エコノミークラスのと大体同じ長さだ。料理がいいのにカトラリが貧弱だと情けなくなってくるね。いやいや、僕は細かいことを言う人はきらいだ。自分がいっちゃあいけない。

時間調整でもう一杯飲みながら、解すつもりで指を色々と動かしてみた。これはフレミングの法則だ。ほんでもってこれがビオ・サバールっていったかな。いやどうも違う。次回またクビになったら自分で学習塾でもやろうかと思ったこともあったが、これじゃ無理だね。

さていよいよEstrela。大通りを渡ってまたアーケードに入って、すぐにわかった。木の引き戸を滑らして入ると右手にカウンター。客は離れて男女一人ずつ。すぐに店主と目が合った。TVなどで見たことがあるし、円田先生のはず、とおもったが、自信がない。いきなりカウンターに座るのも気が引けて、

「ワークショップは7時からですか。」

と、知っているのに尋ねてるのがみえみえ。場所は2階とのことなので、スパークリングワインを頼んでから、

「先に上がっていたらいいんでしょうか。」、
「ええ、後でもって行きます。今日はOh熊先生です。」。

グラスをいただいて自分で持って上るべきだった。常連でもないのに。

無礼はそれだけではない、

「お名前を」

といわれて半紙を切って作ったようなメモサイズの紙と鉛筆を渡されて、「はずれやま」と記入してしまった。プロの先生に名前を聞かれたのに、サラリーマン風情が偽名で答えてしまった。先月だったかYISでラジオの生放送でインタビュウされたことがあったが、そのときも名前を「はずれやま」といったんだが、許してもらえずに本名を言わされたことを思い出す。それに比べて大阪は雅だ。

二階にはまだだれもいなくて、左奥の通りの側に大盤。右側には、押入れと床の間。ここは元は住み込みの店舗だったんだろうか。少し遠慮する気分で2列目の席に陣取った。ほどなく運んでいただいたワインはBrutでよろしい。今日も好日。

7時前になるとカウンターで見かけた男女が上がって来て、音無しく一列目に座った。矢張りカウンターで飲んでから上がってくるというのが慣わしなのかな。今日の生徒はこの3名。

Oh熊先生が登場して、最初は難しい詰碁。なんと「10分で6段」。ヒントを3つ貰っても解けなかったし、生まれ変わったって無理だよ。横浜に戻ってから解き直そうとして解けないどころか、正解が黒先で生きなのかコウなのかさえわからなくなっていた。何を聞いていたんだ。上村邦夫作の仰天詰碁でした。

続いて当日打たれた本因坊戦第6局の解説。Oh熊先生は打ちたてホヤホヤの碁を、スマートフォンの画面で追いながら解説してくださった。皆さんは関西なので当然井山を応援。逆転負けをしきりに残念がっていた。9時に終わるはずなのにまだあーだコーダと終わる気配がない。そのうち階下から女性の笑声が何度も聞こえてきて気が気でしょうがない。今日はさっさと飲んでホテルにチェックインしなくては。

9時半頃だったか、ようやくけりがついて降りていくとカウンターの内側に若い女性が。カウンターのお客さんは年配の男性お一人で碁の雑誌を真剣に眺めている。離れて左側に、女性の前に座ったが、ここでおかしなことが起きた。新品タオルの帯封を円田先生につきつけて、

「これ、トーマイでなくて何だたけ?」。
「よみうりだよ。」
「そうそう、わたしならたの。日本の4大新聞。」

それから僕のほうに向かって、

「あさひと後何?」、
「毎日と産経かな。」、
「まいにちとそれちがう。」、
「じゃあ、元は相場屋の新聞だけど日経。」(僕の会話は生産性低し)
「そう、にけい。これはなんだけ」、
「よみうり」。

聞くと南京出身。トウモロコシのように歯並びが良いのに見とれながらちょっと中国語で話してみたりしているうち、ワークショップに出ていた他の生徒お二人が降りてきた。男性はすぐに帰られたが、女性は先に座っていた年配の男性のすぐ左隣で、おそらくさっきの囲碁雑誌の棋譜を読んでいる。

Oh熊先生が右隣に座ってくださった。修行は東京だったとのことで共通の知人(僕にとっては碁の先生方)の話などをして、ホテルにチェックインの確認をしてから杯を重ねた。自分のためにスパークリングワインを開けてくれたわけだから、もう少し消費しなくてはいけない。今日はハレの日だ。Estrelaデビュー大成功。

ホテルの客室で、荷を解くと、発泡酒二缶とせんべいがでてきた。そうだ、Estrelaで頂いたんだ。氷を貰ってきて煎餅を肴に飲み始める。煎餅は、一緒に授業をうけた女性の因島土産だって思い出してきた。秀策の墓前に何か誓ってみえたのだろうか。他にも何かカウンターで頂いたはずだが思い出せない。僕は尾道のラーメンの話をしたんだろうか。
ぃーね! (2) 氷室  とき♪ 

コメント

2012年
07月21日
21:06

1: クニ

いい夜ですね。

「Sotare」行きたい。

2012年
07月21日
22:11

毎日がいい夜で困ります。生活態度改めないと。

でもこの日はあまり飲まなかったんで、翌日の仕事はバッチシ(古い!)でした。

会社に領収書だすとき、ソかンか、一瞬迷いました。でもSotareで思い出したです。

2012年
07月21日
22:14

はすれやまさんは失職しても文筆で食っていけるのではないでしょうか?
いつも楽しく日記を拝読しています。

goxiでは八歩さんが洒脱な文才をお持ちですが、最近は日常生活の簡単な報告以外は日記を書かれなくなってしまいました。

その分はずれやまさんに頑張って書いていただかないと.......。

2012年
07月22日
01:07

O熊君の家へ泊まった日を思い出しました(笑)

2012年
07月22日
12:33

また、碁のイベントなどがあったらご報告します。

Oh熊先生は、池袋の頃のことも話されていました。

お酒をあまり召し上がらないようだけど、最後まで付き合っていただいて、方角が同じなので、一緒に環状線に乗ってくださいました。

棋譜作成
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