昨日は久しぶりにペア碁を打った。9路盤対局で、パートナーはN上さん。初対面だ。
「ペア碁は負けたら上手の責任!」とはよく言うし、実際そう思っている。この碁も私はそのつもりで打ち進めた。「私、弱いですよ?」とおっしゃるN上さん。確かに、その前の碁を見る限り一桁級に届くかどうかというところ。
だが驚くべきことに、この碁ではN上さん、好手を連発した。鮮やか過ぎて、何も言うことがない。お相手も必死だがもはや完封目前であった。
ところが最終盤、N上さんにたった2手だけ、落手が出た。残念ながら、ここで逆転。形勢はもう覆らない。
こんなとき、上手はどんな態度を取ればいいのだろうか。やっぱり、私のせいですよ、と庇えばいいのだろうか。
実は私はこのとき、最後の敗着をきちんと指摘した。そして、N上さんのそれまでの好手を大いに称えた。だって、「いやー、負けたのは私のせいですよ」とはぐらかすにはもったいなかったから。した手の人も責められたらそれは辛いだろうからミスをなじるのはもってのほかだけど、勝負に参加したという実感まで奪うのはいけない。勝負のあやも含めた碁の楽しさを笑顔で共有するのが、何よりであろうと思う。