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こずりん
(こ)「日曜の午後のお楽しみ、えどエッチケー囲碁トーナメントの時間です。司会のコズリンです。」
(こ)「本日は同門対決、本因坊道策対道的の一戦をお送りいたします。」
(こ)「解説はリーランド九段です。よろしくお願いいたします。」
(り)「よろしくお願いします。」
(こ)「黒番の道策名人は42歳。対する道的七段は現在18歳、13歳で六段格という囲碁史上最大の神童の名を欲しいままにしている新鋭棋士ですね。リーランド九段、本日の対局はどのような展開を予想されますか?」
(り)「お二方とも棋理に明るく力も強いですがお互いの手の内を知り合っていますからどちらも隙を見せずに終盤まで好勝負となると思います。コミがありませんから黒番の道策名人がどのように黒番のリードを維持していくかがポイントとなります。」
(こ)「白18は逃せない絶好点の曲がりトビですね。ここまでいかがでしょうか?」
(り)「白悪くないですよ。黒は先番の効果をまだ失っていませんが、ここから白どうやって紛れを求めるかがポイントとなります。一方黒は先番のリードをいかに守るか、または白の打ちすぎをとがめて一気に優勢に持っていくか。」
(り)「黒19の一間ツメですか。渋いですね。名人の手ですが上辺の白にも左上の白にもあまり響きませんので守りに偏っている意味もあり私は少し疑問に思います。」
(こ)「下辺白20とツメました。」
(り)「黒は右辺への打ち込み、下辺への打ち込みを見られていますので、右辺一間トビ、下辺一間トビもありますが、黒19と詰めた手を活かして左上のC-13に打ち込むのもありそうです。」
(こ)「黒は黒21で右辺を一間飛んで、白は白22ケイマで利かしました。」
(り)「白は上辺を強化して下辺打ち込みに回る構想でしょう。ただ味消しの意味もありますよ。上辺は右上のシマリに覗く手やK-18に置く手などサバキに苦労しないところですから。」
(こ)「白は白24と打ち込み、道策名人は左側から一間にツメましたがこの手はいかがでしょうか?」
(り)「そんな馬鹿な!石の方向から言って右側の黒からK-4とこすんで打つに決まってるっ。」
(こ)「まーまー、興奮なさらずに。」
(り)「オホン。失礼いたしました。白トビ、黒トビとなりましたね。白28とブツカリましたか。ワタリを防いだ手です。この手ではK-7とケイマして煽っていくのもありましたね。白はブツカリと黒タチの交換で少し損を先にしていますからこの黒を厳しく攻めないといけませんよ。」
(こ)「白は30コスミからかぶせて攻めていますね。黒37に白は長考していますね。」
(り)「P-9と一間に連絡を絶つのが自然な手ですが、前に打った白22と黒23の交換が少し気になるかもしれませんね。こうなると交換がない方がよいですから。」
(こ)「白38とコスミました。右下の地を大事にしつつ攻めもみた手でしょうか?」
(り)「道的七段のコスミですが、中途半端ですね。やはり一間が普通でしたね。」
(こ)「道策名人、黒39とつけて黒を治まりに向かっていますか。白はどのように打つでしょうか。」
(り)「ここはP-4に膨らむ一手です。え、白40と伸びた?」
(こ)「黒47までこの黒の一団をしっかり治まりましたね。」
(り)「白48の一着はしょうがないですね。ここをしっかり守らないと後が強く打てません。」
(こ)「黒は先手をとり、黒49のツケに回りました。」
(り)「こうなると黒19のツメも生きてきますから、黒うまく立ち回りましたね。でも、白も手厚く打っていてかなり打ちまわしている方ではないでしょうか。黒はたくさん勝つのは難しい形勢です。細かいヨセ勝負が予想されます。」
(こ)「ボロがでないうちにこの辺で失礼いたします。リーランド先生ありがとうございました。」
(り)「え、もう終わりなの?まだ中盤に入ったばっかじゃん。」
(こ)「この頃の碁は時間制限もなく、いつ終わるかわかんねーんだよ!」
(り)「僕はいくらでも時間あるんだけどなー。まーいいや、それではさようなら。」
対局名: 本因坊道策 vs 本因坊道的
対戦日: 貞享4年(1687)11月8日
黒番: 本因坊道策 ()
白番: 本因坊道的 ()
結果: B+1目
(;GM[1]FF[1]SZ[19]NE[B]SS[@166]AP[StoneLeaf2]PB[本因坊道策]PW[本因坊道的]DT[貞享4年(1687)11月8日]RE[B+1];B[qd];W[dc];B[cp];W[pq];B[od];W[po];B[eq];W[de];B[kq](;W[ci];B[cl];W[qk];B[qi];W[mc];B[kc];W[me];B[hc];W[ke](;B[fc]C[黒の安定を優先。ただし、白への響きが少ないのが不満];W[mq];B[oi];W[ng]C[下辺打ち込みの前に上辺の白を強化。ただし、上辺は右上のノゾキなどサバキには不自由しないところなので重くしている意味があり少々疑問。];B[pg];W[iq](;B[gq]C[この手は方向が違う。道策先生の手であっても同意できません。];W[io];B[ko](;W[hq]C[黒からのワタリを防いだが黒を固めるマイナスもある];B[gp];W[jn];B[kn];W[km];B[lm];W[kl];B[mn];W[mk];B[om](;W[pl]C[中途半端な手];B[oo](;W[pn];B[oq];W[or];B[op];W[qr];B[mp];W[nq];B[lq];W[ll];B[df];W[ee];B[dh];W[dk];B[im];W[jm];B[di];W[ck];B[cm];W[cf];B[ch];W[fj];B[fh];W[fl];B[bf];W[be];B[cg];W[ce];B[hh];W[gd];B[gc];W[gg];B[fi];W[hj];B[hi];W[ij];B[ie];W[rj];B[ob];W[jh];B[ge];W[oh];B[ph];W[ni];B[eb];W[db];B[jf];W[kf];B[jg];W[kg];B[ji];W[ii];B[ih];W[kh];B[gm];W[fm];B[gn];W[mm];B[on];W[dn];B[cn];W[do];B[co];W[fo];B[hp];W[ip];B[in];W[jo];B[nm];W[ln];B[lo];W[il];B[ri];W[ff])(;W[op]C[ここが急所。ふくらむ一手でしょう。];B[pn];W[qo];B[np];W[nq]))(;W[ok]C[右辺とつながる手が自然。白22と黒23の交換のマイナスが見えるので気が差したか?]))(;W[im];B[km];W[jk];B[kk];W[kj];B[lk];W[jl];B[lj];W[ki]C[進行の一例];B[qm]))(;B[jp]C[弱い石から動くのがセオリー];W[ho];B[io];W[fq];B[ep];W[in];B[jn];W[ip];B[jo];W[hn];B[jl];W[fr];B[qm]C[その後の進行一例]))(;B[he]C[トビが普通])(;B[ld];W[md];B[le];W[lf];B[kf]C[出切りも厳しい];W[pc];B[mf];W[lg];B[mg];W[pd];B[pe];W[qc];B[of];W[oc];B[rd];W[jb];B[je];W[kb]C[その後の進行の一例]))(;W[cj]C[星下もしくはもう一路下に進めれば普通でしょうか。]))