タグ :
AI,
小目,
ツケヒキ定石,
AIが変えた常識
囲碁AI(主にAlphaGoZero系のAI)は小目に対してまず一間高には掛かりませんが、相手が一間高ガカリしてきたときはツケヒキ定石を選択します。
ツケヒキ定石は人間界でも昔からポピュラーな定石で流行に左右されずにいつの時代も一定割合で選ばれ打たれてきました。
2016年3月のイ・セドル対AlphaGo戦の第二局でAlphaGoは有名なノゾキを打ちました。(図の白8)
イ・セドル九段は素直に継ぎましたが、先手で利かされて悪い手であることがわかっています。
AlphaGo Teachなどのツールで示される手は黒9のノゾキ返しで白も反発して白10という差し手争いになるようです。
人間的には白8は味消しで打たれたら素直に継いでうれしいというのが常識でした。
しかも、AlphaGoの打った白6のカケツギも今では悪いとされています。
黒は手を抜いて他の大場に回れるからです。
右上の黒7とこれまでの常識どおりに一間に受けると逆に黒が悪くなります。白が手抜きで他に回れるからです。
それで今ではツケ引かれたら、左下の図の様に白20と堅ツギが絶対とされるようになりました。今度は黒21がほぼ絶対となるためです。
黒が手抜くと右下の白30が厳しい。黒31に対し白32のハネがAIが示した最強手です。
これまでの定石は星に当て込んで右辺に伸びて厚いというものでした。AIの評価としては手抜いている所なので少々厚いくらいでは甘いというものです。
(;FF[5]GM[1]AP[RYUSEI : 2.14]CA[SJIS]BS[0]WS[0]SZ[19]PL[B]HA[0]AX[1]KM[6.5]RU[Japanese];B[qd];W[od];B[oc];W[nc];B[pc];W[md];B[qf];W[pe];B[ne];W[ng];B[pf];W[nd];B[of];W[me];B[cp];W[ep];B[eq];W[fq];B[dq];W[fp];B[cn];W[jp];B[qp];W[op];B[oq];W[nq];B[pq];W[np];B[dc];W[qo];B[ro];W[rn];B[po];W[qn];B[pp];W[om]XM[])
コメント
11月25日
02:30
1: 学一筋
つけひきのAIがらみの解釈
たいへん参考になります。
ところで、昔からそぼくな疑問にかんじていることが
あります。
わたしは級位者ですが、有段者のかたでも
黒7、黒21
R13、C7
と2間にひらくかたがたまにいらしゃいます。
なぜ2間がわるいのでしょうか?
ごぞんじでしたら
おおしえいただければたすかります。
11月25日
03:06
2: 学一筋
>これまでの定石は星に当て込んで右辺に伸びて厚いというものでした。AIの評価としては手抜いている所なので少々厚いくらいでは甘いというものです。
*******************************************
白32で35あてこみでは甘いということなんでしょうか?
(;GM[1]FF[1]SZ[19]NE[B]SS[@14]AP[StoneLeaf2];B[qp];W[op];B[oq];W[nq];B[pq];W[np];B[kp];W[qo];B[ro];W[pp];B[rq];W[qn];B[rn];W[qm])
11月25日
08:58
3: えどわーど
学一筋さん
二間にヒラキは十分にある手だと思います。
ただ、堅ツギの場合は薄くて打ちにくい意味があります。
LeelaZero(Lizzie)に聞いてみたところ一間にくらべ1%マイナスでした。
二間への手段としてはツケが有力なようです(すぐには打ちません)。
参考図を載せてみます。
(;
FF[5]GM[1]
AP[RYUSEI : 2.14]
CA[SJIS]
BS[0]WS[0]
DT[2018-11-25]
SZ[19]PL[B]HA[0]AX[0]KM[7.5]
RU[Japanese]
;B[pd]C[
Move 1
46.7% (-0.0%)
(network.gz / 248 playouts)]
;W[dp]C[
Move 2
53.4% (0.1%)
(network.gz / 550 playouts)]
;B[pp]C[
Move 3
46.4% (-0.2%)
(network.gz / 214 playouts)]
;W[dc]C[
Move 4
54.1% (0.5%)
(network.gz / 89 playouts)]
;B[de]C[
Move 5
46.1% (0.2%)
(network.gz / 20 playouts)]
;W[ce]C[
Move 6
54.3% (0.4%)
(network.gz / 47 playouts)]
;B[cf]C[
Move 7
45.7% (0.0%)
(network.gz / 64 playouts)]
;W[cd]C[
Move 8
54.5% (0.2%)
(network.gz / 87 playouts)]
;B[df]C[
Move 9
45.4% (-0.1%)
(network.gz / 175 playouts)]
;W[gc]XM[]C[
Move 10
53.5% (-1.1%)
(network.gz / 4.3k playouts)]
;B[gd]C[
Move 11
47.4% (1.0%)
(network.gz / 11k playouts)]
(;W[fc]C[
Move 12
52.6%
(network.gz / 0 playouts)]
;B[cn]C[
Move 13
50.0%
(network.gz / 0 playouts)]
;W[fq]C[
Move 14
50.0%
(network.gz / 0 playouts)]
;B[cp]C[
Move 15
50.0%
(network.gz / 0 playouts)]
;W[cq]C[
Move 16
50.0%
(network.gz / 0 playouts)]
;B[bq]C[
Move 17
50.0%
(network.gz / 0 playouts)]
;W[co]C[
Move 18
50.0%
(network.gz / 0 playouts)]
;B[bp]C[
Move 19
50.0%
(network.gz / 0 playouts)]
;W[do]C[
Move 20
50.0%
(network.gz / 0 playouts)]
;B[bo]C[
Move 21
50.0%
(network.gz / 0 playouts)]
;W[cr]C[
Move 22
50.0%
(network.gz / 0 playouts)]
;B[gp]C[
Move 23
50.0%
(network.gz / 0 playouts)]
;W[bm]C[
Move 24
50.0%
(network.gz / 0 playouts)]
;B[bn]C[
Move 25
50.0%
(network.gz / 0 playouts)]
;W[gq]C[
Move 26
50.0%
(network.gz / 0 playouts)]
;B[dj]C[
Move 27
50.0%
(network.gz / 0 playouts)]
;W[dk]C[
Move 28
50.0%
(network.gz / 0 playouts)]
;B[ck]C[
Move 29
50.6%
(network.gz / 163 playouts)]
;W[cl]C[
Move 30
49.7% (0.2%)
(network.gz / 150 playouts)]
;B[dl]C[
Move 31
51.6% (1.2%)
(network.gz / 157 playouts)]
;W[ek]C[
Move 32
49.8% (1.4%)
(network.gz / 270 playouts)]
;B[el]C[
Move 33
51.0% (0.8%)
(network.gz / 206 playouts)]
;W[cj]C[
Move 34
49.2% (0.2%)
(network.gz / 201 playouts)]
;B[bk]C[
Move 35
50.6% (-0.2%)
(network.gz / 242 playouts)]
;W[fl]C[
Move 36
49.4% (-0.0%)
(network.gz / 286 playouts)]
;B[fm]C[
Move 37
50.4% (-0.2%)
(network.gz / 285 playouts)]
;W[fk]C[
Move 38
46.5% (-3.1%)
(network.gz / 144 playouts)]
;B[ci]C[
Move 39
54.3% (0.8%)
(network.gz / 169 playouts)]
;W[gm]C[
Move 40
45.7% (-0.0%)
(network.gz / 190 playouts)]
;B[fn]C[
Move 41
55.8% (1.5%)
(network.gz / 178 playouts)]
;W[gn]C[
Move 42
44.4% (0.2%)
(network.gz / 153 playouts)]
;B[fo]C[
Move 43
55.9% (0.4%)
(network.gz / 172 playouts)]
;W[hp]C[
Move 44
43.9% (-0.2%)
(network.gz / 193 playouts)]
;B[nq]C[
Move 45
58.1% (2.0%)
(network.gz / 2.2k playouts)]
)
(;W[fd]C[
Move 12
51.4% (-1.1%)
(network.gz / 563 playouts)]
;B[fe]C[
Move 13
49.6% (1.0%)
(network.gz / 544 playouts)]
;W[hd]C[
Move 14
51.2% (0.8%)
(network.gz / 356 playouts)]
;B[ge]C[
Move 15
49.0% (0.1%)
(network.gz / 526 playouts)]
;W[ic]C[
Move 16
51.3% (0.3%)
(network.gz / 233 playouts)]
;B[cn]C[
Move 17
48.4% (-0.2%)
(network.gz / 449 playouts)]
)
(;W[hd]C[
Move 12
52.5% (-0.1%)
(network.gz / 1.6k playouts)]
;B[fc]C[
Move 13
47.8% (0.3%)
(network.gz / 1.7k playouts)]
;W[fd]C[
Move 14
52.5% (0.3%)
(network.gz / 1.6k playouts)]
;B[ge]C[
Move 15
47.5% (0.0%)
(network.gz / 1.5k playouts)]
;W[fb]C[
Move 16
52.4% (-0.0%)
(network.gz / 1.3k playouts)]
;B[hc]C[
Move 17
47.9% (0.4%)
(network.gz / 1.1k playouts)]
;W[ec]C[
Move 18
52.1% (0.1%)
(network.gz / 1.4k playouts)]
;B[gb]C[
Move 19
48.0% (0.1%)
(network.gz / 1.9k playouts)]
)
(;W[hc]C[
Move 12
52.3% (-0.3%)
(network.gz / 985 playouts)]
)
)
11月25日
10:53
4: えどわーど
>白32で35あてこみでは甘いということなんでしょうか?
局面によっては従来の35アテコミが有力な場合もあります。
示していただいた図の場合は黒が近づいてきていますのでアテコミで手厚く打つことにより黒が厚みに近づいた悪手にしている意味があります。
ハネの一手みたいに誤解されるような書き方になっていました。今後は表現を工夫したいと思います。
Leela先生に聞いてみたら、それでもハネを示してきましたが、後の打ち方は難しいです。
黒が二間に迫ってきたらツケではなくケイマが推奨の様です。
(;
FF[5]GM[1]
AP[RYUSEI : 2.14]
CA[SJIS]
BS[0]WS[0]
SZ[19]PL[B]HA[0]AX[1]KM[6.5]
RU[Japanese]
;B[qd]
;W[od]
;B[oc]
;W[nc]
;B[pc]
;W[nd]
;B[kd]
(;W[qe]
;B[re]
;W[rf]
;B[pe]
;W[qf]
;B[pd]
;W[nf]
;B[pf]
;W[qh]
;B[ph]
;W[qi]
;B[me]
;W[of]
;B[pg]
;W[nh]
;B[pi]
;W[lg]
;B[qj]
;W[rj]
;B[rk]
;W[rd]
;B[rc]XM[]
)
(;W[pf]C[
LeelaZeroはこちらを推奨]
)
)
11月27日
00:57
5: 学一筋
なるほど、
>3.
のちのききの差でしたか
>4.
ばあいによってちがうんですね
ありがとうございました。