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AIが変えた常識,
星一間ジマリへの外ノゾキ,
AI
イセドル戦のツケヒキ定石でも外からのノゾキがありましたが、同じように味消しに見える星からの一間に対する外ノゾキもAIは好んで打ちます。
1976年名人戦予選から題材を取りました。
黒坂田栄男 vs 白梶原武雄九段の一戦です。
https://godb.shogidb2.com/ja/game/b0a01f3ceef184b3bfc2343...
黒は高中国流の布陣です。
白6の星へのカカリ時点で黒の勝率は44.3%。AIは白番の勝率を高くみているので互角の進行です。
黒7と一間に受けた時のAIの白推奨手の一つが白8の外ノゾキです。
継がせてから白10とスベリます。
この手自体は張栩名人も昔打っておりAIオリジナルではありません。
白8の手でLizzie(LeelaZero)の評価が高かったのは右下小目へのツケで白の期待勝率56.8%。三々入りも同じくらい有力です。
白8の外ノゾキは左上の大ゲイマジマリの次くらいで最善の推奨手と比べて1.5%落ちるようですが、候補に出てくるので有力な手段には違いありません。
白番の梶原九段はどこに打ったかというとR-15の内ノゾキでした。この打ち方は梶原九段が得意にしていた手法でしたが、誰も真似してくれないとぼやいていた事は結構有名な話です。
その後、上辺星に開いていわゆる小林流の構えです。小林光一九段が打ち出す前に梶原九段が打っていたというのは興味深いです。
ちなみにこの一局は梶原九段が中盤逆転して坂田九段に勝っています。
(;FF[5]GM[1]AP[RYUSEI : 2.14]CA[SJIS]BS[0]WS[0]SZ[19]PL[B]HA[0]AX[1]KM[6.5]RU[Japanese];B[pd];W[dp];B[pq];W[dc];B[pk];W[nc];B[pf](;W[oe]C[AIの表価が高い外からのノソキ];B[pe];W[pb]C[黒が三々に受ければ白8と黒9の交換が利かしと主張。])(;W[qe]C[梶原武雄九段の得意の内ノソキ。AIの表価はマイナス5%。];B[pe];W[jd];B[de];W[dg];B[fe];W[fc];B[he];W[gd];B[ge]XM[]))