はずれやまさんの日記

(Web全体に公開)

2013年
02月06日
17:09

日吉の地下壕: ワレ蠢動ス。


茅場町のバーに帰宅前に立ち寄った。永代通りとさくら通りが交差するあたりに昨年末に開店したGotsuboという店。L字型の7席しかないカウンターの一番奥の40代後半位の男が店長と話をしている。オーガニックワインの白を飲んでいると、こんな話が聞こえてきた。

「これからの時期は警戒を強めるんですよ。何だって、生理現象です。日射量が増える影響もあるし、暖かくなれば過激派だって、気分が盛り上がって来るもんでね。」

ふーん、公安か、あるいはどこかの警備会社の人かな。人間も蛙や猫と大して変わりは無いってわけか。面白そうな話題だったが、人を警備する側の人とは生理的に合わないと思っているから話には加わらなかった。さて、帰る前に碁を打ちに行くか。

季節はずれに暖かかった先週の土曜日に、予約していた美容院に行った。真冬に冷たい白髪染めを塗ったくられるのは苦行だが、たまたまこんな日にあたってよかった。春一番といってもいいくらいの陽気だったが、どんなに暖かくっても、立春前だと春一番とは云わないらしい。春一番と云おうとしたら、口を塞がなくてはならない。

H山のカットは店長がすることになっているが、洗髪はY青年の役目だ。Y青年は3年前に青森から上京したそうで、慶応と新幹線の間辺りのアパートに住んでいると云っていた。普段は無口だが、僕を迎えるなり、

「望遠鏡を買ったんですが。」

おー。以前H山が、子供の頃から宇宙に興味があって、自然科学の方に進んだということを云ったら、Y青年も、天文に興味があるといっていた。

「捕まりそうになったんです。」

どこかの碁会所に、途中の話をよく省略するインストラクターの青年がいるので、対処には慣れている。それに、望遠鏡で捕まりそうになるといえば、簡単に想像が付く。

仰向けになって、死に人のように顔を白布で覆われてから、すぐに聴取を始めた。喋ると白布が上の方にずれていくし、シャワーの音で聞こえづらいが、カットに入ったら事情聴取を進められないので止むを得ない。時々Y青年が白布のずれを直してくれた。話は想像したとおり簡単で、アパートの駐車場で早速調整してみたのだが、初めての調整ゆえに望遠鏡が地面と平行になったりしていて、運悪く近くにナイターのテニスコートがあるため、誰かに通報されたようだということだった。

そのテニスコートの場所は、大体わかった。以前、戦争遺跡の研究者に案内されて、慶応のキャンパスの地下に作られた壕を見学したからだ。今は封印されている東側入り口の先の辺りだろう。
http://hiyoshidai-chikagou.net/

戦争末期に連合艦隊総司令部が秘密裏にここ置かれた。しかし、米軍は察知して何度か空襲を行ったそうだ。あのあたりにも爆弾が落ちたという説明だった。住民にとっては迷惑な話だ。

カットが済んで、奥さんが白髪染めの薬液を運んできた。やっぱり冷たい液に首をすくめてしまったが直ぐに慣れてきた。足元までガラス張りの窓際に中くらいの大きさの鉢があって、太い薄緑のセロリのようなのが屹立している。しかし葉っぱが全く見当たらない。だんだん眠くなってきた。奥さんにその鉢のことを尋ねたら、

「あれはアマリリスっていうのよ。球根で買うと春には大きな花が咲くの。今はまだ茎なのよ。」

ひゃー、あれがアマリリスか。

♪ソーラーソードーソーラーソー、ラーラーソーラーソファミレミードヲ。

小学校の音楽でリコーダーで吹いたあの曲。これがそれかあ。この素頓狂な植物は能天気な明るさを持った曲とぴったりじゃないか(花言葉は「虚栄」だそうです。他にもいくつかあるようですが(注))。次回カットに来たときは咲いているな。

昨年末から囲碁仲間とテニスを始めた。H山にとっては約25年ぶりだ。その頃、会社のテニス部に入ってきた女子部員と、有明の東京都大会にミクストダブルスで出場したが一回戦で敗退した。女子部員は、

「あたしのサーブが入らなくってすみませんー。」

と、人目も憚らず泣き出してしまった。

「あーコレを使って。」

とH山はタオルを差し出した。まるで何かの漫画の世界である。


春が来るのが待ち遠しい。うひゃっ、明日テニスか。


注:アマリリスは、古代ギリシャやローマ神話に登場する女羊飼いのアマリリスにちなんで付けられました。英語ではベラドンナリリー=貴婦人の百合といいます。[ある祭りの日のこと、アマリリスは輝くような甘い香りを放ってやって来ました。慎み深い百合は恥ずかしさのあまり隠れてしまい、それを見たアマリリスは勝ち誇ったように笑い、自惚れは全速力で走りました。そのために葉がまだ出ないのに花だけが開き、色あせ、萎んでしまった。]というアマリリスにまつわるエピソードがあります。このエピソードは、虚栄心を持った美人への警告ともとれます。
引用元: http://flower.common1.biz/january/0126/
ぃーね! (8) Senri  氷室  横浜囲碁BOYS  さ(・ω・)や  Candy 

コメント

2013年
02月06日
21:31

もとおさんがこわいので春になっても私はズボンでテニスしたいと思います笑

2013年
02月06日
22:04

アワワ、もとおさんて誰だろう?

確かに怖そうな名前。でも何だか間抜けな感じ
もするね。

初コメント有り難う。

2013年
02月07日
09:40

日吉にこんな史跡があったんですね!
連合艦隊司令部、昔やってた映画思い出しました⭐

1人だとこわいので、今度行ってみませんか〜^ ^

2013年
02月07日
10:03

かどっちさん、先日の宇宙等の学習会の人たちも誘ってみましょうか。
確か、見学会は、土曜日。

中の施設はすごいです。

2013年
02月07日
16:53

はずれさん>
そうですね!学習会の方々もぜひ^^

早速Wikipediaで詳細みてしまいました^^;
こんなところが近くにあったとは・・

見学会予約?お願いします♪

2013年
02月07日
23:28

あーぜひ行きましょう。ご相談して予約いたしますです。

棋譜作成
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