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オパール螺鈿,
大町
今日まで日本橋三越で展示即売やってた、大町先生の京都オパールの螺鈿の作品を見てきました。お目当てはもちろんあの13路盤です。
写真では素晴らしさはわからないですね。見る角度で七変化。言葉では説明しても意味ないし。---ちなみに値段も素晴らしいです。
「今すぐに購入っていう金額ではちょっと、無いんですが、京都のどこに伺ったら購入できるんですか。」
H山の日本語は変だね。価格に対する感想なのか、お金がないって言いたいだけなのか、それとも、金をかき集めてまた来るので売るのは待ってくれ、だんなの家はどこっていいたいのか、自分でも混乱している。
「いえ、工房はここですが(名刺を頂く)、どこかの店に置くということではなく、こういう展示会などの場で販売するだけです。」(注;次回は岐阜の何とかの里で、とおっっしゃてました。いつかは常設も検討されているとのこと)
しまった、H山は恥ずかしいことをいってしまった。名だたる工芸家に安っぽい質問をしてしまった。適当にどこにでも売り渡すとか、そういうことではないわけだ。それに、自分のような風采の男が必ずしも購入目当てで来ているわけではないというのはどうせわかっていることだ。
工程を教えていただいた。大きなオパールの原石からシートをきりだし、そこから粒粒をとって漆地に一つ一つのっけて、漆を塗って研ぎだす、という、途方もない作業がなされている。根気のいる作業だし、完成品のイメージがなければ楽しくないでしょうね。写真の展示品は、石もオパールです。もちろんこの中から二色選びます。予算があれば全色そろえたっていいんですが。
大町先生はスカーフをざっくりと首の周りに宛がって素敵に着こなしている。芸術家は違うなーと同性ながらほれぼれいたします。経歴を拝見すると私より年上でいらっしゃるがどうやら同学年ですね、ということに。H山も自宅のほうの名刺に「はずれやま」と書いておわたしした。そろそろまた首になりそうだから会社の名刺は意味ない。逆説的だが、平日のこんな時間にこんなところにいたよ、なんて会社にばれたらやっぱりまずいかなってことで。
なかなか他の客が来ない。来るのは他の売り場から店員が時々来るだけだ。何度見ても見飽きないんだろうし、今日が最後だからとまた見に来るんだろう。
全てにおいてなにもいうことないので、といって黙っているわけにもいかず
「あー、えーと政光さんのサイトとかで拝見いたしましてー。」
「あー、そうですか。」
「日曜にお会いしたんですよ。」
「ここには土曜日に見えました。」
うーん、他に話題は、、、、あった。
「僕以前、xxxxという携帯電話の関係で蒔絵を人間国宝に人を介しておねがいしたんですよ。」
「ああ、xxxxxxxですね。」
ほ、なんとか話題ができた。じつは、H山は超高級品の携帯電話のカバーに蒔絵を導入したことがあるんです。
初対面の緊張とか、失言の後ろめたさが少しずつ後退した。他に自分が蕎麦猪口を作った話とかをして、大町先生も作られたがつい先日売れてしまった、残念とか。そんな話をしてから、いつか次回にというようなことでお暇いたしました。
エレベーターまで歩いていくとずっと監視されるような気がして、まだ失言のことも頭に残っていたので、他の売り場にさっさと紛れ込んでエスカレーターに向かった。
吹き抜けにでっかいオブジェが見える。天女ということだったが、でかすぎてよくわからない。それはそうと、ここに来るのは25年ぶりくらい。バブルのころ以来だ。たいていのものは近所か、デパートといったって横浜か渋谷にいけばあるし、ここでしか買えないものって、僕のような庶民には縁のないものだからねえ。年末にここで第九をやってたね。
確か4Fだったと思うがヴーヴ・クリコがシャンパンブチックというのを開いて、日本にシャンパンを広めるんだと意気込んでいた。僕と一緒にアテネフランセでフランス語を習っていたマダムNがそこの店長になって、
「H山さん、閉店の30分前くらいに来たらいいわよ。」
と誘われた。
あー、日記としては長くなっちゃうし、またテーマからどんどんずれてきたのでここからはつづきで、
追記: 碁盤は特別展示って感じで、什器とか、手鏡やブローチのような、比較的手の届きそうなお値段の作品なども取り揃えていらっしゃいます。それらも拝見いたしました。
http://saikiko.jp/
追記2: 次回の展示が岐阜というのはおそらく聞き違いで、滋賀県だったようです。
コメント
02月26日
22:50
1: シホ
さらに面白くなりそうなところで
つづきなのね。
心得ていらっしゃる。
02月26日
23:49
2: ちゅう
見ていて、飽きない気がします。
ヴーヴクリコもいいなあ。
02月27日
00:16
3: はずれやま
ここまで書いたら次書かなきゃね。どうやら次回はバブルの時代の話になります。
バブルあるいはバブル前夜あたりの話って自分も青春時代に体験してるからおもしろいよね。
奥田英朗の「東京物語」とか、吉崎達彦のまさに「1985年」とか。
僕はヴーヴクリコ好きです。なんたって気品がある。碁も気品をもって打ちたい。へたでもね。
02月27日
07:26
4: mikoinrp
日本橋三越というのは確かに他のデパートと違いますが、それは私のような年代でないとそう感じないでしょう。
昔は大事な人に贈り物をするときはわざわざ日本橋三越に出向いて買うという言わず語らずの通念がありました。余所より高かったかもしれませんが、とにかく日本橋三越の包装でないと失礼になるという思いで、逆に言えば、それだけ格が高かったわけです。
そう言う店が今でも営業しているというのは日本も悪くないなあと一種の感慨を覚えます。
ちなみにフィリピンにもデパートはいろいろあります。確かどこかに伊勢丹もありました。でもこちらで高級百貨店と言うとルスタンです。売り場と売り場の間の通路も勿体ないほど広くて、トイレなども此処がフィリピンなの?と思うほどきれいです。何だかたくさん金を持っていないと入れないような気がしてしまいます。
02月27日
08:20
5: 政光goxi管理人
ありがとうございます。
日本橋三越本店の空気は京都の高島屋や伊勢丹とも全く違うものでした...
02月27日
14:22
6: はずれやま
みこさん、政光さん:
デパートの格とかいうのはいろいろ気になったり、問題になったりするんですね。これも長くなりそうなので、日記のネタにでもしてみます。