カウンターは右側で、H山は遠慮の姿勢を見せる気分で入り口に近い、向って右手の隅に席をとった。そのまた右側の壁には、縦書きのメニューがすし屋のように一つずつ書かれてぶら下がっていた。そしてすしや同様、値段がかかれていない。
余談になるが、池波正太郎のエッセイのなかで、はじめてのすしやにはいるときの作法が述べられていたと思う。
はじめていくすし屋ではカウンターではなくテーブル席にすわるべし。
店員さんに、「こちらへどうぞ」といわれたらカウンターに移動する。
当然のことなげらカウンターでもセンターは遠慮して脇のほうに座るわけですね。
なるほど、すしやだとカウンターの客には、いえばすぐ握ってくれるし、テーブルより上席なんだね。池波の随筆には明記されてないが、その分。それなりのお支払いは覚悟しないといけないんだ。