えどわーどさんの日記

(Web全体に公開)

2018年
10月28日
15:05

【AIが変えた常識】小目への小ゲイマカカリ、二間高バサミ(1)

タグ : AI,小目,小ゲイマガカリ,二間高ガカリ,AIが変えた常識
私が碁を覚えたのは高校生の時ですが、プロの碁では初手小目が多かった記憶があります。
その中でも武宮正樹九段は特別で星ばかりというか三連星を打っていて、あこがれて宇宙流を良く真似てました。
当然力がないので模様の碁で失敗ばかりしていました。中央を囲って風船が萎むように減らされて地が無くなるというのは模様碁あるあるです。

その頃、小目へのカカリも小ゲイマガカリが比較的多く、少し経って一間高ガカリが増えてきたという時代でした。

最近、AIが小目に小ゲイマガカリを多用する影響で小ゲイマガカリが多数派になってきました。
古いものが新しく、新しいものが古いという、時代が巡るのはファッションなどと通じるものがあります。

小目の二間高バサミですが、AIはそもそもハサミを打ちません。
小目にカカられたらケイマに受ける(秀策のコスミも見られます)、コスミツケて一間、またはケイマなどが普通の着手です。

AIが打たない二間高バサミですが、いったん整理しておきたいと思います。

左上、以前の定石はケイマカケに対し出切りとハイに大別されます。
AIは必ず出切ってきます。
出切ったときは白8が手筋と教えられてきました。教科書的な定石では白12までお互い安定して一段落。
AIは白8でB-15に押さえてきます。より積極的に打って妥協しないのが特徴です。この変化は別の日記で取り上げたいと思います。

ハイの場合は変化図で白三々にツケる変化が有名です。10年前~5年前にはよく見かけた記憶があります。白先手を取る左辺の出切りの手筋は新鮮でした。

右下の二間にトブ手は絶滅してしまいました。10年ほど前まではよく見かけたのですが。
これはAIの影響以前に白が甘いという認識が広がったものと思われます。

(;FF[5]GM[1]AP[RYUSEI : 2.14]CA[SJIS]BS[0]WS[0]SZ[19]PL[B]HA[0]AX[1]KM[6.5]RU[Japanese];B[cd];W[ec]C[小ゲイマガカリがAIの影響で復権してきた。2,3年前までは一間高ガカリが主流だった。];B[hd]C[星でも小目でもカカリにハサミはAIは打たない。];W[de]C[ケイマにカケが一番強い態度でAIはほぼこう打つ](;B[dd]C[黒も挟んだ流れからは出切るのが自然];W[ed];B[ee];W[gd]C[AI以前の常識はつけて捌く筋。今でも当然通用する定石];B[ef];W[ge];B[cg];W[hc]C[現在でも人間界では互角と思われている];B[qp];W[oq];B[lp];W[on]C[二間トビは昭和期より長らく打たれて常識的な手だった。AIはもとより最近は人間も打たなくなった。];B[qm];W[ip];B[ln];W[pl](;B[ql]C[白カケに対し、受ける変化];W[pk];B[qk];W[pj];B[qi];W[po];B[qo];W[ll];B[jn];W[jq]C[部分的には互角とされている。下辺から中央の競り合いが続く。])(;B[pm]C[出切りの変化];W[om];B[ol];W[qo]C[このタイミングでツケるのが手順。這ってきたときはコスミで利かすが出切られたらツケが手筋となる];B[ro];W[po];B[rn];W[qq];B[rp];W[mm];B[ok]XM[]C[以降は競り合いとなる]))(;B[ce]C[這うのも有力];W[df];B[cg](;W[cc];B[dg];W[dd];B[fg];W[cf];B[bf](;W[bc]C[白は隅に入り込んで辛い。周りの状況次第。])(;W[bg]C[白先手をとる手筋。一時期流行した。治勲さんが打ったと記憶している];B[bh]))(;W[dg]C[押す手も有力];B[ch];W[dh]C[回りの配石次第])(;W[kd]C[単にハサミもある])))
ぃーね!
棋譜作成
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