はずれやまさんの日記

(Web全体に公開)

2012年
10月14日
21:45

山籠り


足柄の明神ヶ岳に登りました。昨日の行で会った知人に車で送って貰い、最乗寺のわきからスタート。急な坂をしばらく登ると石仏が並んでおりました。
高さがわずか20cm程の石仏が肩を寄せ合うように並んでいて、ほのぼのとします。撮った写真を帰ってからみると10体ですね。見とれているうちに、枯葉がぶら下がったりしているのが気になり、一通りごみを取り除いてあげました。不惑とも、すでに天命をを知ったとも噂されるはずれやまなら当然の行い。

再び歩き始めて心拍数が上がってくる。ほとんど人に会わない。牧水の気分、というより山頭火か。

ああっ、連れのスタバガールがさっさと先に!スタバガールだからスタスタ、ちょっとまってくれー、ええ?僕は一人で来たんだから追い抜かれただけだ。スタバガールは白いTシャツにでかでかと緑のスタバのマーク。山道なので、すぐに視界から消えたけれど、腰からぶら下がったクマよけの鈴のガラチリンガラチリンというのがいつまでも耳から離れない。本当に自分は聞いているのだろうか。煩悩か。昨日の行の効き目は一日と持たないようだ。

曰く、「滝に打たれているあいだは、懺悔、懺悔と唱えます。」。

江戸の川柳に、

懺悔懺悔間男はいたしません

とあるけれども、滝に打たれていれば音が大きいので安心して、この機会に懺悔ってことだそうで。

ガラチリンガラチリン。用心の良い女性なんだかどうだか。山ガールなんていうのがよくない。ひとりで登山してしまう。お友達と登られた方がいいんじゃないですか。だから山ガールズって言わなきゃね。

松田あたりの下界の眺望を楽しんでから下山にかかった。登るときよりはずいぶん急峻に感じる。ふと、目の前に蜂がホバリングしている。黄色が黒よりだいぶ勝っていて、スズメバチよりは小さいしずんぐりしているが、ミツバチなんかよりずっと大きく、短い毛が光を跳ね返している。熊蜂ってこれかな、などと品定めしていると、相手も僕を品定めしているってことに思いが至った(この間約1秒)。これは大変、首の襟をまくりあげながら急いで下りようとしたら足が滑って転んでしまった。
幸い怪我はなく蜂も善人と認めてくれたのか、いなくなっていた。いや、きっとこれは石仏のご加護にちがいない。

改めてお礼を言わなくてはと思ったんだが、不思議なことに見つけられなかった。でも写真はちゃんと残ってるんだよね。下りの方が急なのは本当で、道を違えたのかもしれない。


東海道線で綱島までもどる途中、平塚あたりから雨がふっている。これはサロンで雨宿りがてら打っていこう、って思ってたんだけど、着いたら止んでいる。でも、今晩は焼き肉って決めちゃったらそれ以外食べたくなくなるのと同じで、はずれやまはサロンに直行。

こちらには新人の囲碁ガールがおられて、9路盤で3局。そのあとヒムロックさんに一局打っていただいた。山籠りで心を入れ替えてしっかり打てるようになろうと思っての週末だったが、あいかわらず悪い手は打ってからでないと気付かない。なんにも変わらない。
ぃーね! (1) 氷室 

コメント

2012年
10月14日
22:03

1: クニ

むしゅーの文章、
本当に好きです。

2012年
10月14日
22:11

気に入っていただいて、光栄です。
碁会所探偵も大好きです。毎月楽しみにしてます。

2012年
10月14日
22:13

3: シホ


山ガールと囲碁ガールのはざまの煩悩、懊悩・・・
文学ですな。

こんな良い月を一人で見て寝る(放哉)

を思い出しました。

2012年
10月14日
22:20

おおっ!その川柳いただきっ!

2012年
10月14日
22:50

5: クニ

あ、放哉で思い出した。

どうしようもないわたしがあるいている

山頭火ですね?

2012年
10月14日
22:58

6: シホ

ノン、むしゅー。

放哉は川柳ではなく、
自由律俳句です。

2012年
10月14日
23:02

あー、見たことある。じぶんのこといわれてるような(笑)

方哉のは知らなかった。川柳ってかいちゃったけど、どちらも自由俳句とかいうんですか。

実は、土曜日は川柳の学習なんかもやりました。

2012年
10月14日
23:05

自由律俳句か、うろ覚えはいかんね。

2012年
10月15日
06:23

滝行と煩悩についてちょっとした一文をものしたことがあります。

宜しければお読みください。

https://skydrive.live.com/?cid=76277A759A835DB9&id=76...

上のサイトにある「亜紀」というタイトルのものです。

2012年
10月15日
14:15

すごいですね、これ全部Mikoさんの習作ですか。
出だしや途中でちょっと冗長かなと思うところもあったけど、ところどころの会話の妙や、ストーリーの展開など、結構楽しめます。推理小説のようなそのあとの展開を期待しましたが、完成させたものではないんですね。あるいは煩悩をそのまま書かれたのか。

Mikoさんがこれまで時々メールなどで書かれた内容から、なんとなく実体験が反映されているような気がして、おもしろかったです。もしかしたら、題名は全部実名で、内容はMikoさんの妄想(プラス実体験)なのかな。

2012年
10月15日
18:18

11: mikoinrp

まあ、実体験と妄想が混ざっています。
才能が無いから全く経験していないことは書けません。

2012年
10月25日
01:28

12: ちゅう

きっと、石仏が、雪の中、「親切なむしゅーの家はどこだー」って、金銀財宝を、あれ?米俵だっけ?なんか、そんなものをたくさーん、運んでくると思うよ、そのうち♪

2012年
10月25日
11:58

ほうほう、そうかな。

ちゅうさんも、旅行のお話、其のうちおきかけくだされ。

棋譜作成
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